ダーク・プリズン


あるところに。

牢獄に入った囚人がおりました。

その囚人は来る日も来る日も牢獄の中に入っています。

「なにか酷い罪を犯したに違いない。」

それを見た若者はそう思っておりました。

次の日も次の日も囚人は牢獄の中です。

毎日食べ物を運んでくる人がいます。

その人はその囚人に何か言い聞かせていました。

とっても穏やかな口調で囚人を心配しています。

次の日。

若者は興味本位で囚人に尋ねてみました。

「なぜ牢獄に入っているのですか?」

囚人は答えました。

「私は罪を犯してしまったからね。」

若者は。

「重い罪なのですか?」

囚人は返します。

「重いと言えば重いさ、心が痛んでこうしている。」

若者は罪状を問いかけてみました。

「どんな罪なのですか?」

囚人は。

「ケンカをして老婆に大ケガをさせてしまってね。」

「反省するために牢獄に入れてもらっている。」

若者は驚きました。

「なにもそこまでしなくても。」

囚人は困った顔で答えます。

「私の心が痛んでしまって。」

「牢獄の中に居ないとどうかなってしまう。」

若者は反省のために牢獄にいるのだと知りました。

次の日。

囚人は居ませんでした。

若者は囚人を探してみると。

ある家であの囚人が老婆に謝っていました。

「あのときは申し訳なかった。」

老婆は笑顔で答えています。

「もういいのよ。」

「そんなに自分を責めないで。」

囚人は一生懸命に謝っておりました。

次の日。

花束を持っているあの囚人に会いました。

次の日は。

ケーキをたくさん抱えているあの囚人に会いました。

後をつけてみると。

老婆の家にそれを置き去りにしています。

後から出てきた老婆は。

申し訳なさそうに。

囚人を追いかけて。

「もういいのよ。」

「あなたはもう充分。」

囚人はなにかから解放された顔で。

老婆と抱き合いました。

次の日。

あの囚人の姿は見えません。

あの囚人は自分の罪から解放されて。

農場で働いていたのでした。