献花


第1話-蹂躙。

ふふ、上質な紅茶に甘美なお菓子。

夜のお茶は格別ですわね。

あら?じいや、いつの間にわたしの後ろに?

気配を消すとは、相変わらずのきれものぶりですわね。 

お茶を楽しむ少女の後ろに老紳士がいきなり現れる。

お楽しみ中、失礼致しました、それより興味深い話があります。

あら?なにかしら?こんな夜更けにお話とは、たいそういいお話なんでしょうね?

お嬢様、この報告書をお読みください。

なるほど、そうですか、そろそろわたしが動かねばなりませんね。

少女は重く腰を上げ、窓の外を悲しそうな目で眺めた。




翌朝、電話で会議を行い、報告書の人物を追う手筈が整った。

その足で少女は可憐なドレスをまとい、屋敷の外へ出た。

外には壁に寄りかかっていた、ピンクで横の髪が長いロング風の少女が待ちわびた顔で手をあげる。

玲奈ちゃん!おはよう!

朱莉さん、おはようございます。

呼び出して何?と朱莉が興味深く迫る。

朱莉さん、わたしは総監督なのですよ、そういう者がやることはなに?

そうだった!行くんだね!お供するよ!

会話が終わると、彼女達は街へと歩いて行った。




町に入ると、何かしらの気配に玲奈は気づいた。

魔法を使った痕跡がありますね、こんな街中で。

朱莉が余裕顔で、こんな程度の術者なら怖くないね!と威張り散らす。

朱莉さん、油断をしていると不覚をとりますよ、いくら実力者でも戦いは紙一重なのですから。

さすが玲奈ちゃんの言葉は重いね!

彼女らは魔法の痕跡を辿って路地へと入った。




1時間ほど歩いたのだろう。

廃墟地帯に突入した、人気もなく、治安が明らかに悪そうな雰囲気だ。

誰かがわたし達を見てる、朱莉がつぶやく。

玲奈は、目的の人とは違うようですね。

報告書によると、もう少し力がある方ですよ。

無視して歩いていると、だんだんと気配が集まり出した。

朱莉が、そろそろかな、と笑顔を見せていた。




するとひとりの少女が屋根の上に現れ、同時に2人の少女が左右の脇から出てきた。

おまえたちここになにしにきた?

玲奈が、人を探しています、「青葉」という方ご存知ありませんか?

すると屋根のリーダーらしき少女が降りてきて、いきなり火の玉を放つ。

ひらりと交わした玲奈。

突然玲奈の表情が真剣な顔つきになった。

タダもんじゃないな!でも青葉を知ってるんじゃ生かしてはおけないな!

血相を変えて少女達が向かってきた!




最初の2人は火の玉と氷の刃を放ってきたが、左右にひらりと交わした玲奈。

ここはわたしが!

朱莉が前へ出ると、炎の壁を作って敵に押し当て、2人を吹っ飛ばす、それだけで2人は戦闘不能に陥った。

リーダーの少女は隙をついて玲奈を強襲、格闘戦に入った。

しかし火を纏ったパンチは右に左にかわされ、右腕を掴まれた上に投げられ、リーダーは後ろに後退した。

「お前何者だ!」

玲奈は威厳堂々と言葉を放つ。

わたしは玲奈、国指定U−15魔法少女の総監督にして魔法少女の警察官。

あなたは犯罪者を捕まえ、国家機関に貢献するという義務を破棄し、その力を不法に酷使。

国民に不安を与え、国家の存亡を脅かす者なり。

よってあなたを逮捕します。

どうりで!と吐き捨てるとリーダーは逃走を開始した。

しかし30メートルほど行った所で玲奈が指先からレーザーを発射。

レーザーは生き物のように角度を変え、リーダーに命中し感電する。

リーダーはこの一発で力つきて戦闘不能となった。

朱莉が全員に手錠をつけ、魔法陣を地面に描くと、女性警察官が数人現れ、3人を連行していった。

玲奈が、青葉は3日前、ここに拠点を持っていたそうですね、もう少しでした。

それより実力差がありすぎよねーと朱莉。

それでも一瞬の油断で敗北する、簡単に勝てる相手などいない。

相手がいくら素人でも、未完成不正確故余計に素人は何をしてくるか分からない、弱いからと言っても真剣に戦わないといけない。

いくら肩慣らしでも、気を抜けば終わり。

玲奈が真剣に諭す。

そうかーわたしどうしても手を抜いちゃうんだよね、玲奈を見習わないと。

ところで朱莉さん、このあとご予定は?

そぉ?行っちゃう?




2時間後、玲奈と朱莉は喫茶店でケーキを食べていた。

すると1人の少女が来店する。

あー!レナっち!あかりん!

あー!渚ちゃん!10日ぶり!

朱莉はかなりの大声だった。

渚は席に座るとこう切り出す。

今日はね!瘴気が濃いからこんなケーキつくれました☆

箱の中には豪華なチーズケーキがびっしり!

わたしの好きなチーズケーキ!渚ちゃん大好き!

渚にだきつく朱莉、渚は笑顔でこたえた。

ふたりでチーズケーキを食べてて、満腹となった。

友人と過ごす美しき、充実したひととき、その胸に刻むことあらんや。

と紅茶を上品に飲みながら玲奈はつぶやく。

そのうち端末を取り出し、なにやら筆記している。

なにそれ?朱莉が覗き込む。

これは報告書の下書きですよ、見ない方がよろしい。

なるほどー総監督は忙しいのね、と渚。

書き終わると、玲奈は、あなたたちの事も書きましたよ。

喫茶店で抱き合ったことを。

と微笑を浮かべて話す。

えぇ!報告書にそんなことも書くの!?

うそー!そんなに細かく!?

朱莉と渚が口を揃えて訴えるが、玲奈はいつまでも微笑を崩さない。

あっ!

すぐに玲奈の冗談だと分かった。

そのあと5分後にあるスーツ姿の男が店に入ってきた。

お嬢様、お時間でございます。

玲奈はすくりと立ち上がり。

今日は忙しくも楽しい時間でした、また遊びましょう。

すると外のリムジンに乗り、消えていった。

朱莉がふと思った。

あれ?この紙って・・・・。

渚も、そうだよね・・・。

2人でシンクロして、「玲奈ちゃん会計してない!!」

その大声は他の客達の注目を浴びた。

そして玲奈の代金1200円は朱莉の財布から消えていった。





屋敷に戻ると、複数の少女、それもいろんな年代の女性が集まっていた。

会議室にてすぐに会議が始まった。

皆様に集まって頂いたのは「青葉」についてです。

魔法少女U−15日本代表エースストライカーでありながら、その力を悪に使い、日々愚行を繰り広げている。

その要因はいかに?

17歳くらいの女の子が話す。

黒の魔法使いが再び活動を開始したとしか思えませんよ。

魔法少女を悪に引き入れて、政権転覆や無差別攻撃を企む人達。

そのくらいしか心当たりはありません。

30歳くらいの女性が、「青葉」の師匠はかつて黒の魔法使いだった女性、今もどこかで潜伏していると聞きます。

その影響を受けたのでは?

この後20歳だと推測される女性が話をまとめ、会議は大捜索網を作る事で決定した。

会議後、夕日が落ちる窓を眺め、玲奈がつぶやく。

わたしたちのような魔法少女は、初心が人の役に立ちたい、というものでした。

近年このような事態になってしまったのはわたしの不行き届きのせいでしょうか・・・・。

後ろから現れた老紳士が。

お嬢様、これは時代の流れというものでございます。

その流れは逆らえるものではなく、流れを沿った先を見届けなくてはなりません。

総監督に就任して1年、忙しくなりそうですね・・・。

玲奈は強い表情で空を見上げ、任務全うを胸に誓った。


第2話-因縁。


かすかな月明かりの下、今宵はダージリンを頂きましょうか。

クッキーも準備してありますわね。

ふふっ。

今夜はひとりで楽しいお茶を嗜みましょうか。

さて、その前に水を差される形で、わたくしはやらなければいけないことがおありのようですね。

お嬢様、中々冴えていらっしゃいますね、これを。

ご友人からの密書でございます。

渚さんからの手紙ですね。

なるほど、青葉が動きますか。

国を揺るがす徒党の群れ、早急に退治せねば市民の不安も煽りましょう。







翌日、玲奈は魔法少女を30人集めていた。

先日、この町の大きな会議場に黒の魔法団から脅迫状が届いたのを知っていますよね。

外国外交官並びに総理も出席なされます、事態は重大です。

あなた達、1級魔法少女には会議場の警備を担当してもらいます。

魔法少女の集団のリーダーが問いかける。

女史!作戦内容は?

追って指示します、配置はこの図の通りにしてください、では移動!

魔法少女の集団は用意された車に乗り、現地へ向かう。

その場にいた朱莉は、玲奈ちゃんの大一番だね!とはしゃいでいる。

朱莉さんは今回作戦指揮官であるわたくしの護衛です、離れてはなりませんよ。

了解!パワースピーダーあかりんが玲奈ちゃんを守りますよ!

頼もしいですね、頼みましたよ。







現場につき、配置につく魔法少女。

玲奈は駐車場で警察官となにやら打ち合わせをしている。

するとスーツの男性を引き連れてひとりの女性が近づいてきた。

玲奈、ここで決着をつけるつもりでかかりなさい。

事態が長引けば、それだけ国民も動揺しましょう。

玲奈の母だった。

傍にいた朱莉が小声で、わー!日本国立魔法団大元帥だ・・・。

とつぶやく。

そのつもりです、ここで決着をつけ、この流れに終止符を打ちます。

風が呼んでいます、あなたにご加護がありますように。

会話が終わると母は去って行った。







配置が終わり、会議は順調に進んでいた。

が、早朝からの濃霧がさらに酷くなった。

西方領土問題は、双方が妥協案を持ち出し、外交官が前向きな発言をしていた。

その時、会議室に女性が3人向かってきた!

3人はSPの4人を6秒で全滅させると扉を閉め、外交官と総理の部屋を確保。

その直後、いきなり現れた精鋭魔法少女にフイをつかれ。

乱戦の末撃破された。

それと同時に、茂みの中から、60人強の軍人が出てきて、警備網と交戦を開始した。

AH-6を投入した為、戦況は優勢で敵は消極的。

玲奈の指揮は順調だった。

会議室は精鋭魔法少女5人が固め、警備網は突破される気配がない。

しかし何かが気がかりだった。

黒の魔法団には優秀な軍師がいるはず、こんな単純な攻撃をするはずがない・・・。

それを確かめようと、玲奈は朱莉をつれて指揮所を飛び出した。

それを待ち伏せしていた敵魔法少女部隊!

それを玲奈手勢が交戦しつつ。

会議場へ突入。

索敵を反逆者が攪乱し。

玲奈魔法少女部隊が四散。

再編成の途中だとの報告。

指揮は側近の穂乃花が引き継いだ。






会議場へ入ると、警備員が全員倒されていた。

嫌な感じ漂う会議場を進み、会議ホールへ進む。

朱莉が、なにがあったの?あったの?と玲奈に問いかけるが、静かにしているようにと静めた。

護衛の魔法少女が待ち構えていた敵部隊と交戦。

錬度が桁違いだった為、1分も経たずに圧倒し敵を撃破。

会場は広く、掃討作戦を実行し、2小隊は散開行動する。

端末の小型無線機で、精鋭魔法少女5人と交信するが、問題ないの一点張り。

大きなホールにさしかかると、魔法少女が5人出てきて、いきなり攻撃を仕掛けてくる!

護衛の3名が不意をつかれ戦闘不能!

2名が玲奈護衛と相打ち!

敵精鋭の攻撃、玲奈を狙ったサンダーガンは華麗に受け流し、雷の剣をひょいっと避けるが。

2人目の氷の腕に押されそうになったところを朱莉がプッシュでフォロー。

3人目は遠くから、黒い発光体を放ってくる、援護射撃だ。

玲奈は避けながら、レーザーを発射、しかし読みが深い精鋭には当たらない。

そこで玲奈はレーザーを上に発射、傘を作って散弾のように精鋭に浴びせ、1人を撃破した。

朱莉はパワーとスピードに優れるプッシュ系の炎技や、拡散系の炎技のラッシュをかけ、ひとりを撃破。

そうやっているうちに最後の敵のチャージが溜まり、範囲攻撃を開始。

避けるが精一杯の玲奈、そこに金髪のツインテールが後ろから敵の頭をつついて、敵は崩れ去った。

あー!渚!潜入してたんだ!と朱莉。

相変わらず、不思議な技ですね、警備の一部をここへ向かわせますね。

渚特殊小隊は反乱分子との局地交戦で全滅していた・・・。

3分後、増援の魔法少女が6人到着した。






会議ホールにつくと、外交官と総理が、ギョっとした目でこちらを見た。

名乗ると安心した表情で両者は退避を開始した。

裏切り者がいらっしゃったようですね。

玲奈がこぼす。

朱莉が、横で気絶している女性を見て。

この人達って敵の魔法少女が最初の画像通信で撃破したって言う人だよね?

なんで倒れてるの?事実上の味方なのに。

玲奈が、捨て駒、簡単に言えば生贄でしょう、わたくしの目を欺くための・・・。

渚が困った顔をして横からしゃべる、あの娘達感化されてたね、若い子ってなんでも影響受けるから、狙いやすい事この上ないよ。

外の攻防は攻撃側が不利になっていた、勝利は時間の問題だった。

総理と共にさっきのホールにたどり着くと、ホールの中央に誰が立っている、精鋭2人の取り巻きと一緒だ。

青葉!玲奈が真剣な表情で発言する。

そこにはストレートで、横髪にカールがかかった気難しそうな少女がいた。

玲奈は6人に隙をついて総理と外交官を退避させるように命じ、青葉と対峙した。

青葉が「久しぶりね、玲奈、日本代表以来かしら。」

玲奈が「一時期日本代表エースストライカーにもなった女性、あなたがそちらにつくとは何か事情がおありで?」

「ありありよ、日本は外交戦略で日々敗北を続けている、前の政権もそうだった。」

「日本には強いリーダーが必要なのよ、弱い政権は私たちで変えてしまわなければならないわ」

玲奈が少し怒った顔で切り返す。

「外交というものは市民の尺度で測れるほど簡単なものではないのですよ。」

「あなたたちの考えでリーダーを変えたりしたら独裁政権になるでしょうね。」

両者はにらみ合い、沈黙のあと、青葉が手に黒いボールを発生させ、玲奈に投げつけてきたが、軽く避けた。

前から気に入らないのよ、そういう態度、ここでその口を黙らせてあげる。

取り巻き、特殊部隊出身よね、さっさと総理と外交官を確保しなさい。

朱莉さん、渚さん、6人の援護を、青葉はわたくしが引きつける!

戦いの火ぶたが切って落とされた。






青葉が突っ込んでくるが、玲奈は合気道ばりのカウンターで後ろに吹っ飛ばしたが、青葉が空中でボールを投げて、玲奈はそれを手で弾き返した。

着地すると青葉が叫ぶ、「パンサー!」すると黒いボールが豹の形に変化、玲奈に突進してくる!

それをリフレクターでちゃぶ台返しのようにひっくり返し、パンサーが沈むと、青葉は空間を歪曲させて後ろから現れてパンチ!

それをギリギリで受け止めると、玲奈は後ろに滑りながら、レーザーを発射、青葉にかすると、レーザーは壁に当たり、大爆発して壁が崩れた。

えげつない威力よね、あんたの魔法!

そこに無線が入る、撤退指令だ、ちっ!と下うちして青葉は猛スピードで去って行った。

取り巻きの精鋭は6人がかりで朱莉を中心に撃破が完了していた。

総理と外交官は後詰のSPの集団と合流し、敵の軍隊は撤退、戦いは終了した。

取り逃がしてしまったことが悔やまれます。

玲奈は事後処理でSPにそう話していたが、SPは「外交官と総理が無事なのだ、これは勝利、素直に喜べ。」と諭される。

その後、魔法少女全員との話が終わり、解散となった。

この戦闘で魔法少女は2人が魔力回復困難になり、1人が戦闘不能、相手側逮捕者8名という結果だった。

朱莉が、被害出てるなぁ、わたしがもっと活躍してれば美しく勝てたのに、とつぶやく。

玲奈は、美しく勝とうとするのは危険なことですよ、現実的に不可能なのですから、と説得口調で発言する。

美しくは勝てないか・・・魔法少女の戦いくらい美しくていいのに。

朱莉さん、それができたのは50年前だけです、もう時代は変わりましたよ。

時代かぁ、めまぐるしく変わっていくなぁ、わたしはついていけない。

ふと疑問が。

ところで玲奈ちゃん、大人の魔法少女ってSPの中にいたよね、どーなったの?

朱莉さん、授業受けましたよね?大人の魔法少女は魔力に乏しく、あまり戦力にならないんですよ。

一説には、魔法の駆使に必要不可欠な生体エネルギーが関係しているそうですね。

なーるほど、あれ?学校で習ったよね?

朱莉さん、小学校で習いましたよ、覚えてないんですか?

忘れちった♪てへ♪

渚が横から。

れなっち、讒言でみんな惑わされてる。

あとから一掃作戦をするよ。

わかりました。

なになに?朱莉が戸惑う。

わたくしへのよからぬ噂で煽動して内乱を企てたのですよ。

簡単に引っかかる娘たちに落胆!と朱莉。

キャンピングカーへどうぞ。

お茶あるの!?

はい。

しばらくキャンピングカー内部で女性指揮官と会話する。

把握するため外へ出る。

確認が終わった直後。

おーい!

渚が呼ぶ、事後処理が終わったので、撤収開始、わたしは痕跡を調査するのでお先にどうぞ、とのこと。

では、わたくし達も、帰宅なさいましょうか。

ふー!スリリングな日だった!

またこれからも続きますよ、そう、漆黒の僕が月下を蹂躙する限り。

屋敷に戻った玲奈、いつものように会議に駆けつける魔法少女、それを捌ききり、休息の時へと入る。

紅茶をたしなみつつ、今後の戦略を思案し、月明かりに目を奪わていく。

ふと、古書に目をやり、興味をそそられた。

青葉、前よりも力をつけていましたね、今度会った時は決着をつけねばなりません。

美しく可憐な、桜の花だった魔法少女もいまは鋳薔薇、悲しいことです。

玲奈は真剣な表情で本のページを閉じた。


第3話-月下のしもべ。

わー!これ全部食べていいの!?

渚さん、あなたの功を労ってのことですよ、まだたくさんありますから、好きなだけお食べくださいね。

れなっちありがとー!頂きまーす!

ふふふっ、可憐な容姿に食欲旺盛、絵になりますわね。

お嬢様、電話がございます。

じいや、了解しました、渚さんは存分にお食事を堪能なされて。

玲奈は電話をとると、相手は刑視総監だった。

なるほど、海底油田を発掘する新方法と調査済みの油田座標資料、スパイに盗まれた、ということですね。

まだ近くに潜伏しているのが幸いですか。

これは一大事、心してかからせて頂きます。

食卓に戻ると、渚が食べ終わるのを待ってから、話を切り出した。

れなっちりょーかい!渚もお供するよ!

お昼の小休憩の後、魔法少女3人とスパイ捜索に出かけます、じいや、準備を。

心得ております。

玲奈は捜索のため、出撃した。





リムジンで2時間ほど走った、車の中には真剣な表情をする魔法少女が3人。

渚が発言する、一発ギャグをします!

渚は今日ブルーなのです!なんでか分かりますか?

それは渚の今日のハンカチの色がブルーだからなのです!

これは全員にウケ、殺伐とした車内に光明が差した。

連れてきて正解でした、玲奈が小声でつぶやく。

渚がすりよってきて、ねぇねぇ!今日あかりんは?

朱莉さんは別の任務の指揮をとっています、今日はいませんよ。

それじゃあ!れなっちの今回の護衛はわたしか!頑張ります!

頼りにしています、玲奈が笑顔で対応した。






繁華街に到着した、号令と共に魔法少女は散開していく。

辺りには覆面警察官がウロウロしていた。

そのうちの1人が玲奈と話し、状況を聞いていた。

マスコミに知られたら一大事、どうか隠密に。

問題ありません、今回連れてきてた魔法少女は隠密タイプの娘達ですから。

そのあと、玲奈と渚は繁華街を歩いていく。

あー!新作のワンピース!こっちは売り切れ頻発のドーナツ!

ドーナツならいいでしょう、買っていきますか?

やったー!

でもいいの?任務中なのに。

ドーナツを買って食べながら歩く2人の少女、町に溶け込んでいるとは思いませんか?

あーほんとだー、頭いいー!!

半ば真剣な目で、気配を探知しながら歩くこと1時間。

丘の上の住宅街付近にやってきた。

日中なのに静かだなぁ。

気をつけてください、この町は犯罪が多くて有名です、現地の魔法少女の話を聞きましょう。

すると、端末を取り出し、ある家にたどり着いてドアのチャイムを鳴らした。

はーい!

ひとりの少女が出てきた途端!その少女はびっくりして尻餅をついた。

あああ・・・総監督!

すると玲奈はしゃがんで女の子の手をとり、立ち上がるのを手助けした。

大丈夫です、わたくし達は何か変わったことはないか尋ねに来ただけです。

土地勘も養いたいものですから、少しお話を。

その家で30分話をしたあと、再び繁華街へと戻った。

あの方のお話によると、繁華街に不審人物が現れるそうです。

その他には怪しい住人がいるとか。

渚が、じゃあじゃあ!2つもあたるんだよね?

他の魔法少女とも連携しませんと、事が事ですので。

玲奈と渚は捜索を続けた。






深夜になった、協力先の喫茶店を出発しかけ、今日の捜索は打ち切り。

となった所、無線で逃走中の不審車を警察が追っているとの通報が入る。

玲奈は、犯人は東3キロの場所で逃走、西へ逃走中、それから2分経っている。

なら座標と時間、距離を計算すると、だいたいこの近くに来そうですね。

外の小さな道路に出ると、気配を頼りにして移動、するとサイレンが聞こえてくる。

来ますよ、渚さん。

うん!行くよ!わたしの使い魔「鳩侍!」

すると手にシルクハットがいきなり出現、それを振ると中から小刀を持った鳩がとび出てきた!

あの車を止めて!

すると鳩侍はものすごいスピードで車を追跡、車のボンネットに小刀を突き刺し、車のエンジンは停止、車は静かに止まった。

と同時に警察官がパトカーで登場した。

警察官がただよらぬ気配を感じ、拳銃を取り出すが、玲奈が制止。

自分の後ろにいるように指示する。

ほどなくして、車から1人の女性が現れた、と同時に青い大きな玉が飛んできた!

リフレクション!渚がその玉を弾き返し、玉は空で花火に似た光を放った。

炎の術者、それも高レベルですね、朱莉さんと同レベル、油断できぬ相手です。

その時、警察官のひとりが発砲を行った、しかし弾は角度を変え外れていった。

ここはわたくし達に任せてください、渚さん、支援を。

うん!

謎の女性との戦闘が開始された。






まず、玲奈は明後日の方向にレーザーを放った。

それが反射を繰り返し、全方向から謎の女性を襲う。

しかし女性は前転で回避、そのまま炎柱を放ちつつ突っ込んでくる。

そこで玲奈は近くにあった左右確認用のミラーに強めのレーザーを発射、反射し、謎の女性に命中する。

転倒はしたが、ほとんど無傷、再び立ち上がり、牽制用の炎弾を放ちつつ少しずつ距離を縮める。

玲奈も、炎の弾を弾き返しながら、レーザーを放つが、なかなか命中しない。

渚は支援魔法を選びながら唱え続ける。

両者の距離は縮まっていく。

渚さん!大人相手に距離を詰められるとわたくしは不利です、リフレクションを!

その時!炎を纏ったチョップが玲奈を襲う。

なんとかいなしているが、攻撃が速すぎて捌き切れない。

渚は玲奈の後ろへ回り、リフレクションを使って、後ろから謎の女性を吹っ飛ばした!

その女性は着地と同時に滑りながら大玉の火球を投げつけてきたが、玲奈は拡散レーザーで受け止め、なんとか横に流した。

その時!魔法少女3人と、連絡を受けたパトカー3台が前後左右から現れ、謎の女性を囲んだ。

勝負ありましたわね。

謎の女性は舌打ちをして、おとなしく手をあげ、警察官に逮捕された。

あれ?抵抗しないんだ、渚が不思議がっている。

大人の魔法少女は子供の時みたいに魔力が無尽蔵ではないのですよ。

あの方は燃料切れを起こしています。

なるほどー、それ高校で習うような情報だよねー。

さて渚さん、この車の中、調査してくださる?

がってんだー!

渚は車の中を手をかざして調査すると、シートの折り目を発見。

中から機密資料が出てきた!

これが油田の座標と新採掘方法・・・・ですね。

これが他国に漏れたら、国家存立に関わることがらになりますからね、奪還できて良かったものです。

そのファイルを家に持ち帰り、政府の重役に返却し、この事件は終了した。

その後、玲奈と渚は2人リビングで休憩していた。

渚が、ケーキが食べたい!

ふふっ!そう言うと思いましてショートケーキをじいやに用意させていますよ。

やったー!れなっちだーいすき!

渚は玲奈に軽くだきつく、玲奈は微笑を浮かべて対応した。

そーいえばれなっち、今回なんだか苦戦してたよね。

れなっちは最強だと思ってたけど。

すると玲奈は急に真剣なつきになった。

上には上がいますよ、U−19日本代表の香さんには5回戦って一度も勝ったことがありません。

へぇー!世界は広いんだね!

外国の一流魔法少女はもっと手ごわいですよ、ではもう朝が明けます。

仮眠くらいはとらないと持ちませんよ。

りょーかーい!前みたいに一緒に寝る?

かまいませんよ、寝室を用意しておきますね。

やったー!

ベットの中で少し話す2人。

れなっちってよくそんな重役なのに平気でいられるね。

平気だと思いますか?

なんで?

そのうち分かりますよ。







早朝、朱莉が任務から戻ってきた。

玲奈ちゃん!渚ちゃーん!任務終わったよ!久々に遊ぼう!

あかりん!

玲奈が、わたくしは今後の指示について検討しますので、しばらくお待ちになって。

玲奈はさっさと書斎に行ってしまった。

やっぱり平気な顔してる、れなっち。

なにがー?と朱莉。

あんな重役についてるのに顔ひとつ変えない所か笑顔まで見せるし。

違うなー渚ちゃん。

14の女の子って普通ね、綺麗な服着て友達と朝から晩までしゃべる。

そんな生活じゃん。

でも玲奈ちゃんは仕事でオシャレする時間も、わたしたちと話す時間も削られている。

さらに母が大元帥、さらに総監督、並外れたプレッシャーに耐えながらやっていると思うよ?

え?

それでも顔色を変えないのは、苦しそうな顔を周りに見せたくないんじゃないかな?

そのくらい強くないとやっていけない。

れなっちそんなに強いの?

強いには強いけど、まだ女の子だもん、わたしたちみたいに泣くこともあるよ。

1か月前、泣いているところをちらっと見ちゃった。

・・・・。

それでもやっていけるのは、玲奈ちゃんの器の大きさと、国を守るという強い意志があるから。

わたしたちは、そんな玲奈ちゃんを応援してあげよう!

・・・・・うん!

朝霧深く、陽光差す、早朝の時間、3人は力を合わせてこれからも戦い続ける。

国家の安全、それを守護する桜の戦士達、彼女らの舞台は盛大である。



第4話-疾走。


国防長官殿、お久しさしゅうございます。

武殿、元気そうでなにより。

ささ、会議室にてお嬢様がお待ちです。

お早いお着きで、長官殿。

これはこれは、玲奈女史、総監督就任以来でございますな。

今日はあの話をするのですね。

ご存知の通り、黒の魔法団が大きく動きます。

青葉、ですね。

その者が黒の魔法団大将に抜擢されたのは周知の通り。

我々としても、玲奈女史のような有能な方を頼りたい。

わたくしに総大将を?

お察しの通り、女史が適任と議会は判断致しました。

分かりました、引き受けましょう。

わたくしの、人生の大勝負、負けるわけにはいきません。








黒の魔法団が動き出し、国会議事堂を襲撃し、史実上のクーデターを行うとの犯行予告があった。

1流魔法少女200名を各地からかき集め、自衛隊も出動、兵力2000を動員した警備網が出来上がった。

指揮所では、玲奈と穂乃花が打ち合わせをしている。

するとひとりの少女が指揮所に入ってきて、話に加わった。

朱莉と渚が到着するやいなや、朱莉はぶつくさ話し始めた。

香奈さんだ・・・・。

あー、あかりん、香奈さんとケンカして風花U−15日本代表から脱退したんだよね。

あまり会いたくない・・・。

そうするとプイっと方向を変え、隣のキャンピングカーに乗り込んでしまった。

香奈が立ち去ると、朱莉はひょこっと出てきて、玲奈の様子を観察した。

犯行予告10分前になった。

殺伐とした雰囲気が辺り一面に張り詰める。

そんな中、朱莉は居眠りを始めようとした。

ちょっと!あかりん起きなよ!

すると玲奈が歩いてきて、朱莉のほっぺを軽く突いた。

あう!

朱莉さん、もう敵にやられてしまってますね。

え?誰に?

油断という名の。

すると後ろへ戻って行った。

あれ?れなっちでもこういうことするんだ。

ん?違うよ渚ちゃん。

あれは渚ちゃんのマネ!影響受けたんだよ。

へー。

すると遠くで爆発音がした。

戦闘開始!

サイレンが鳴り響くと、自衛隊が先陣を切って、戦いが開始された。






相手の戦力は偵察によると350人ほどだが、少数精鋭。

政府軍の布陣は真ん中をぽっかり開けている。

うまくかかるといいですね、と穂乃花。

無理でしょう、相手も兵揃い、簡単にはいきません。

すると、敵の一部10人が真ん中の大通りを突っ込んできたが、2キロの距離から放たれるスナイプで全滅する。

プロの魔法少女のスナイパー、当たるとほぼ確実に魔力回復困難になりますからね、と穂乃花。

敵軍は左右の出っ張りを中心に攻撃を仕掛けている。

後方は自衛隊の集団が、数人を撃破した。

序盤までは良かったが、黒の魔法団は魔法具を装備した魔法少女隊30人を投入。

自衛隊に被害が出始めた、そのあと20分もしないうちに左翼は突破された。

あまりにも攻撃力、守備力、機動性に優れる魔法具隊は、ライフルの標準が合わず、当たっても効果が薄く、兵隊では厳しい相手。

政府側魔法少女も戦闘不能者が多数出てきて、戦況は不利になっていく。

予想通り、戦闘力は相手が格段に上、このままでは負けます、と玲奈。

あれが成功すれば形勢逆転ですけどね、と穂乃花。

そろそろ頃合いでしょうか、町中に放った使い魔達が探し出してくれる頃・・・。

その時、無線から敵の令部を発見したとの情報が入る。

すぐに戦闘が始まった。

使い魔を従える魔法少女隊が敵の令部を強襲したのだ。

多勢に無勢、激戦の末、司令部にいた大将、青葉は逃走を開始した。

このまま突っ込んでくる、玲奈は直感で感じ取った。

戦況は自衛隊がパワードスーツ隊と10式戦車を投入したことで、なんとか持ちこたえていた。

74式戦車も投入されていたが、魔法具隊の攻撃で被害が出ていた。

遠くでは使い魔が上空を旋回している。

戦力を中央に予備兵力を使います、すぐに!

玲奈が強い口調で命令する。

ほどよくして敵の一団が中央突破を図ってきた!

その数32名。

74式戦車4台が立ち向かうが、戦車砲はかすりもしない。

機銃で2名戦闘不能にした。

残りの30名は74式戦車の脇を通り越して、無視するように通過していった。

その先に待ち構えていた自衛隊と魔法少女の混隊と乱戦、混隊は奮闘したが、最終的に3名の通過を許してしまった。

穂乃花、ここにいて、指揮所に来る、朱莉さん、渚さん、準備を!

がってん承知!

朱莉と渚はシンクロした。

外に出て5分。

指揮所の近くで銃声と爆発音がすると思いきや、足にスネ当てのようなものをつけた。

女性がすごいスピードで突っ込んできた!

女性達は玲奈と朱莉の正確無比で素早い攻撃を完璧にかわし、警棒のようなもので一撃を加えようとしたが。

渚がシールドをつくり、攻撃は失敗した。

1人が反転したが、玲奈が光の網をつくって範囲攻撃を仕掛け、1人は身動きができず、爆発。

丸腰になったところを朱莉が仕留めた。

もう1人はビームガンを放って渚を強襲、凄まじいスピードで後ろに回って直撃弾を当てた。

しかし煙が出ただけで渚は無傷だった。

げほげほ!ひどいなーもう!と苦情を言う余裕まである。

玲奈が的確な位置に回り込んで、レーザーをスネ当てにヒットさせると、炎上し、のろのろとどこかへ逃げていく。

朱莉さん、あの人を追って!

りょーかい!

朱莉は議事堂の裏へ消えていった。

渚さん、魔法防御力が無くなっています、撤退してください。

え!?ほんとだー!ごめん、先に離脱するね。

1分後、香奈が到着していた。

代表コンビ、久々に復活といきましょうか。

香奈は嬉しげだった。

残りの突破した1人が姿を現す。

なにやら全身鎧を着て、さっきとは違う金色のスネ当てをしていて。

2メートルほど浮遊している、顔を見ると青葉だった!

大将を叩けば終わりなんて、小賢しいわね!でもそれはこっちも同じ!

玲奈が真剣な表情で。

思想に固執した哀れな魂、救いの道があるとすれば業に焼かれたその先。

玲奈、今日本は他国に圧力をかけられ危機に瀕している、クーデターは必要な行動よ。

青葉、日本議会は強い国造りを目指し、動き始めた、あなたの行為は無意味よ。

所詮は口だけ、今までもそうしてきた、今度もそうよ!

すると青葉はビームガンを乱射しながら突っ込んでくる。

政治の達人である老人及び政治家が口約束だなんて!若者の視点はいつも自分勝手!

玲奈の強めのレーザーは青葉に直撃したが、まるで効果がない。

香奈が後ろから回り込んで、光を飛ばし、それが青葉に当たると大爆発を起こしたが、それでも青葉に効果がない。

その場は玲奈&香奈と青葉の乱戦になった。

指示を完遂した朱莉が戻ってくると、いきなり青い火球をお見舞いしたが、弾き返されてしまった。

玲奈と加奈は抜群の連携で青葉を圧倒するが、内容で勝ちながら有効打を与えられない。

玲奈が指示する、隙を作ります、朱莉さんは精いっぱいの攻撃をお見舞いして!

朱莉はそう言われると、指輪を地面に落とし、魔法陣をつくってその中から豪華絢爛な長い棒を取り出した。

その時、青葉が武装を変えた、小型ホーミングミサイルを放ち、右手の砲口から大口径ビームにモードチェンジ。

10メートルジャンプして攻撃を開始した。

その攻撃は激しく、受けるのがやっとの玲奈と加奈。

だが、ブースト切れで着地した時、隙が出来た!

玲奈と加奈は素早く接近し、鎧に牽制打を与えるが、一振りで吹っ飛ばされ、なんとか着地。

その瞬間、朱莉が背後から兜に猛烈な打撃を与えた。

もの凄い金属音が鳴り響き、兜が破損、続いて後ろに1発、青葉が振り向いた瞬間に胴体に一発。

それぞれの攻撃で、青葉の鎧が砕けた。

こしゃくな!

警棒を押し付けられ、朱莉が吹っ飛ぶ。

その瞬間、すごい速さで玲奈が接近、鎧がなくなった青葉を投げ、泥をつけた。

いつもそうだった!玲奈にいつも負けてばかり!

背負うものの大きさが違うからよ。

玲奈と香奈で青葉を取り押さえていると、自衛隊20名が駆けつけ、逮捕が完了した。

ぶい!

倒れたままの朱莉玲奈が慌てて近寄ってきて、朱莉さん大丈夫ですか!?目がかすんでいます!

玲奈ちゃん、ちょっと強化魔法の度が行き過ぎちゃったみたい、3時間くらいで治るから運んで。

そのあと、朱莉は10分後に来た救急車に運ばれていった。

大将を失って、総崩れとなった黒の魔法団はいくつもに分散して逃走した。

監獄車が到着し、青葉は腕に奴隷の輪をはめられ、魔力を封じられた状態で連行されていく。

玲奈!悪は滅びん!

青葉、こうして悪はいつも負けるのです。

10式戦車と自衛隊の車両に挟まれ、車は発車していった。

この戦いの結果は、幸いなことに戦死者は0名、全員祝福の指輪をしていたおかげで、瀕死以上にはならなかった。

自衛隊戦闘不能者420名、魔法少女戦闘不能54名、魔力回復困難2名、敵側逮捕者89名という結果に終わった。

※一般向け公表情報。

事は詰めが肝心です。

事実上の壊滅ですが、まだ東京に潜伏されていますので、自衛隊特殊部隊及び警察の皆様の健闘を祈ります。

事後処理でそう話すと、この戦いは完全に終了した。








朱莉は全治1週間と診断された。

渚は魔力の大半を失い、自宅で3日の休養を余儀なくされた。

国会の会議では、玲奈に勲章を授与しようという動きがあり、実際に授与された。

世界が日本に玲奈がいることを認識し、玲奈は微笑を見せた。



 




2週間後、9月21日は玲奈の誕生日。

朱莉と渚は香奈、穂乃花を呼んで誕生日パーティーを企画した。

そういえばれなっち心から笑ったことないよね。

朱莉が、苦しさをこらえるのに必死だったんだよ。

朱莉は4人で買ったプレゼントを持つと玲奈の屋敷を訪れ。

じいやと仕組んだパーティーを開始した。

唐突に何かと思いきや、中々ありがたいお話ですわ。

玲奈は微笑を浮かべていた。

れなっちなんだか機嫌良さそうだね!

朱莉が、渚ちゃん、黒の魔法団を壊滅させて、きっと荷が軽くなったんだよん。

ケーキを食べながら、中間辺りで、はい!プレゼント!

これはこれは!中を開けると赤いリボンが2つ入っていた。

玲奈はリボンをつけると、満面の笑みを浮かべて喜んだ。

ありがとうございます。

あー!初めて見た!れなっちの笑顔!

玲奈が笑顔で、わたくしだって笑顔のひとつやふたつは見せますよ。

この後、パーティーはとても盛り上がり、夜まで続いた・・。

勝利の宴に花咲かす、桜の戦士の活躍はこれからも続いていく・・・。




ある日、玲奈は海岸近く丘の上にある墓地を訪れていた。

その中で一番大きな墓の前に花を添えると、手を合わせた。

お姉様、総監督の務め、立派に果たしております。

これから日本を安全な国へと変えていきます。

魔法少女のことはわたくしに任せ、ご安心してお休みください。

その時、突風が玲奈を吹き付け、一瞬のうちに去っていった。

玲奈は用が済むと、凛々しく墓地を後にした・・・・。



献花、完。


※処女作。



玲奈は海岸の墓地を訪れていた。

花束を持ちながら歩いていくと。

横には青葉。

「まだそんな偶像崇拝してんのかい?」

玲奈はクールな笑顔で。

「わたくしは最後に裏切る者達の為に戦うなんてことをした。」
「貴方はやり方がよくなかった。」

青葉はキメ顔で。

「お互いが間違ってたんだよ。」
「相容れぬ者同士なにやってたんだろうな。」

玲奈は花束を青葉に投げた。

「弱さ故にこんなことをしたのですね。」
「死者への冒涜行為で危うく重罪ですか・・。」

青葉はさらなるキメ顔で。
「おまえそんな新興宗教やるヤツじゃねーだろ?」

「女性首相誕生、でもクーデターで得られたもの。」

「玲奈、おまえは傍観して正解だぜ?」
「どさくさ紛れにあたしの牢獄ぶち壊すとはよ。」

「反抗する魔法少女達をわたくしは粛清している。」

「あの手練れとかわいいのはどうした?」

「屋敷で昼寝をしておりますが?」

「ミニスカ美少女とふわふわっ娘は黒の魔法団で最強と噂されてんだぜ?」

「姉妹のような関係ですし、そんなにアテにしてるんですね。」

「あたりまえさ、大物手練れ超一流は好むだろ?」

「要するにファンなんですね。」

「図星。」

玲奈は悲しげな表情で。

「社会と世界の封印は解けるとは思えません。」

青葉はパワーアップした笑顔で。

「妨害要素はあたし達がすべて破壊する!」
「そのための魔法少女!」

「現代も歴史の1ページ。」

「玲奈、それ使わせてもらう。」

「どうぞ。」

「幼馴染みですか、数奇ですね。」

「同感だよね。」

玲奈と青葉は抱きしめあってから。

その場を後にした。

青葉は「現代も歴史の1ページ」と公表させ。

平民は大ショックを受け。

水を得た魚になる者。

エリートとして行動が躊躇となる者。

落ちこぼれがエスカレートする者。

天国だと思っていた妄想が撃ち砕かれ絶望に染まる者。

人々はそれぞれに分かれていった・・・。