風花


第1話-雛鳥


激しく火花散る、都会の戦場、なにもできない、なにもやれない・・・・。

ただ無力感だけが心に響く。

仇が来ても、体が震えて、そのうち動けなくなって、誰かに助けられる。

何のために来たのか、何のための認定魔法少女なのか、疑問の渦に呑まれていった。

周囲の期待が重くのしかかり、それでもなお、進み続けるしかない、少女は苦悩の日々を送っていた。






メグ〜!

家の外から白髪のロシア系の少女が大声で呼びかける。

反応がないと分かると、部屋までおしかけ、いつものように抱きつく。

しかしメグは暗い表情をしたままだ。

まだ気にしてんの?議事堂防衛戦のこと。

シャルルちゃん、わたし何もできなかった・・・・。

助けられるだけで何も・・・・。

その年で抜擢されて生き残っただけすごいじゃん、ほら元気出して。

いつものように氷芸してあげる!今日はとっておきのヤツ!

するとシャルルは手の平から氷を出して、かわいい熊の形に一瞬で整形した。

ごめんね、シャルルちゃん、もう関わらないで・・・。

そんなの友達に言うセリフじゃないじゃん!

ほら、こっちきて。

そうするとシャルルはメグの手を強引に引っ張り、外へ連れ出した。

ちょっと!どこ連れてくの!

メグは振りほどこうとしたが、シャルルの方が格段に腕力が強くて無理だった。

そのまま手を持ったまま、河川敷に出た。

ここは・・・・。

風花のフィールド!80メートルクラスでちょっと小さいけど・・ほら!人数は揃ってる!

そこには障害物が規則正しく置かれた、サバイバルゲームの近代版のようなフィールドがあった。

みんな〜!メグも風花やりたいってさ!

ちょっとシャルル!何ねつ造して・・・。

わー!あのメグさんだー!ちょうど相手が大会出場の強者だったから良かったぁ。

女の子6人がはしゃいだ。

相手の女の子が、メグとシャルルが相手か、ハンデくらい欲しいよ。

それを聞いたシャルルがきりっとして、フェアプレーが日本の流儀、文句言わない!

さあ、みんな魔石を指にはめて・・・・。

試合はすぐに始まった。








シャルルはワントップ、メグはトップ下。

開始早々、シャルルが大暴れして、2人を撃破した。

相手が、あー安物の魔石じゃシャルルの攻撃をかすっただけで終わり、厳しいな、とこぼす。

しかし一人で敵陣に突っ込んだため、6人の集中攻撃に遭い、ひとまず後退した。

その後は牽制をかけつつ、メグチームが相手のクリスタルに触れ、1回戦に勝利。

2回戦は接戦となった。

あっ!ごめん!メグんとこ突破された!

1流魔法少女のメグさんが相手!でもわたしは風花小学生大会の優勝メンバー!!

メグはそんなことに目もくれず、暗い表情で突っ立っている。

メグ!あんたそんなに弱かったの!?

シャルルが大声で怒鳴る。

ふと考えに浸る。

弱い?

わたしは無力・・・それでいいの・・・?

香奈さんからは「あなたは戦士ではない」と言われた・・・。

このままではダメ・・・。

わたしは1流認定の魔法少女・・・・。

そう、あの戦いに生き残った魔法少女!

するといきなりメグの周りに突風が吹き荒れ、相手を吹き飛ばした!

わたしはやるよ!

メグは敵陣に突進していく、まず大会優勝経験の相手を風のボールで押して撃破。

風を使って高くジャンプすると上空から範囲技を繰り出し、3人を撃破。

そのまま敵陣に着地してクリスタルに触れた。

全員があっけにとられる。

これが一流魔法少女メグ・・・。

敵からも拍手が送られた。

3回戦も行ったが、まるで相手にならず、ストレート勝ちした。

メグが、もう1回!というが、両チームの魔石が全部消費してしまったので、不可能となり、諦めるしかなかった。

帰り道、シャルルが、前よりも格段に魔力上がってるよ、わたしと同クラス♪

元U−12ロシア代表には敵わないよ、それと誘ってくれてありがとう!

友達が困っている時助けるのは当たり前でしょ!

さっきは・・・ごめん。

そんなこと、いちいち気にしないの!

じゃ!ことあとのお稽古に合わせるから、ばいばい!

じゃあね!

メグは帰宅した。







家に帰ると、父がテレビでニュースを見ていた。

そこでは評論家が議論を繰り広げていた。

日本議会は黒の魔法団のクーデターを受け、過去最大規模の魔法少女育成計画を発動するそうですね。

大人の魔法少女は兵隊にもなりますからね、他国が圧力をかけてるのに一向に攻めてこないのは。

魔法少女の圧倒的戦闘力のおかげですからね。

メグは一言「魔法少女が戦争の道具にならなきゃいいけど」

父はそれを聞いていて、子供に戦争をさせるような社会を、私たち大人は作らない、とテレビを見ながら反論した。

母は元魔法少女だった、メグの久々の笑顔を見ると、一声かけて安心したように家事にとりかかった。

部屋でメグは電話をかけた、相手はシャルルだ。

ねぇ、今夜一緒に悪党狩りしない?

久々だねメグ、おこづかい足りなくなってたし、報奨金目当てて行っちゃうよ♪

決まり!








夕飯を食べ、何時間か休憩したあと母はメグにアドバイスを送る。

プロじゃないから魔石は常備すること、少しでもキツそうな戦いになったら魔石はすぐに使うこと。

免許証は必ず携帯すること。

背後からの不意打ちに特に要注意、いいわね?

はい!

意気揚々とメグは出発、途中でシャルルと合流した。










繁華街へ歩いて行った、夜9時、人もまばら。

若い警察官が自転車で近づいてくる、だめじゃない、君らこんな時間に出歩いてちゃ。

メグとシャルルが免許証を見せる。

おっと!失礼しました、ご武運を!と言い、警察官は去って行った。

歩いていると前からガラの悪そうな男性が歩いてきたが、メグ達を見て急に角度を変え、路地に入って行った。

角には不良がたむろしていたが、こちらもメグ達を見たら。

「げー!あれ魔法少女じゃね?さっきおまわりさんに補導されかけたところにこれかよ!」

と言って移動していった。

アパート乱立地帯に突入した、大小のアパートが立ち並ぶ地域だ。

シャルルが遠目で不審者を発見したが、メグ達を見て不審者は早歩きで引き返した。

捜査権、逮捕権がない警察庁民間警察科、その魔法少女であるわたしたち。

戦闘力が一般警察官の6倍以上あるだけあって、ある種の人はみんな怖がってるね、とメグ。

でも少女だけあって下手すると下に見られることもある、訓練授業の必須科目を受けた後でもたまに講習は受けないとね。

深夜パトロールは11時まで続いた。















ある時のことだった、無線機から強盗が現れたとの通報が入る。

メグが交信すると、警察官の指揮官が協力要請を行ってきた。

どうやら、今日の夜は長引きそうだね、とシャルル。

メグは少し震えたが、すぐ冷静になった。

シャルルが、新米じゃないんだし、震えるのは直しなよ、とつぶやいた。










しばらくして、警察官3名がパトカーでやってきて、2人を乗せて辺りを巡回した。

警察官の目は本物で、すぐに不審者を発見、職務質問した。

案の定、不審者は強盗で、一瞬で逃走を開始、警察官はそれを追いはじめたが、犯人の足が速くて引き離された。

メグ達は連携で素早く動いて犯人の進路を塞ぐ。

魔法少女のチームワークと、強化魔法による陸上選手並みの速さで追跡。

犯人は立ち止まって、ボクシングの構えをとった。

これは危険、マニュアルによると、8メートルの距離を保つ。

犯人が突っ込んでくる!

こういう時、訓練の通りでは、斜め後ろへすり足移動で距離をとり続ける・・・。

滑るように後退して距離を保つメグ。

そのうち警察官が追いついたので、犯人は逃走を続けたが、メグの風魔法で足をとられ、軽く転倒。

そして後ろからシャルルが現れ、進路を塞いだ。

すると犯人はシャルルに向かっていったが、路面を凍結させてあったので転倒、そこに警察官がのしかかって逮捕となった。

ご協力感謝します。

パトカーと警察官は犯人を乗せ去って行った。









あとから、シャルルが、犯人も無知だなぁ。

いくら格闘技やっていても、魔法少女に普通の打撃技が効くわけないのに。

おまけに取っ組み合いは強化魔法によって勝ち目がないのに。

確かに関節技はありえないほど効くけどさー。

メグは、その情報は機密情報、容易に口に出さないように、とシャルルの口に立てた指をそっとそえた。




        









翌日、報奨金として1000円が支給された。

これでおこづかいピンチから脱出だ!とシャルル。

わたしは貯金、とメグ。

シャルルが、使っちゃいなよ、と迫るが、将来のため♪とメグは笑顔で答えた。

その日は風花U−12日本代表の公式試合のテレビ中継があった。

いつかこんな舞台に出たいな、そう夢見るメグ。

女の子の憧れの職業ながら、常に真剣さと冷静な判断が必要、今日もひとりの1流魔法少女は思いを馳せる。



第2話-飛翔


おはよう!

あら、メグおはよう!

メグよ、おはよう。

あれ?ニュース?

これはな、この町のスポーツ施設に風花U−12日本代表が合宿するんだそうだ。

え?

なんだメグ、嬉しそうな顔して、さては参加したいんだな?

できるの?

昨日、チラシに「腕に覚えがある娘は審査の上、参加可能」と書かれていたぞ。

ほんとー!

メグったら、目をキラキラ輝かせて、代表は厳しいわよ。

お母さん、でもわたしやってみる!

そうか、じゃあ父さんが話つけてやるから、午後に出発な!

うん!

でも・・・・。

シャルルちゃんか、一緒でいいぞ。

ありがと!

早朝騒ぐ秋の音響く陽光の空、メグは夢に向かって前進する。











シャルルと車に乗り、市民体育館に向かう。

ロシア代表は今年辞退したけど、日本国籍を取ったから日本代表に入れるわ。

ロシアは、わたしのワンマンチームだったから、負担ばかり押し付けてきて、嫌になったし。

シャルルちゃん大変だったんだね。

ひどいもんよ、わたしだけで戦ってたから。

でもまた国の代表になれるなんて、正直嬉しいわ。

そうこうしているうちに体育館についた。








体育館には審査員が複数いて、身長測定みたいに魔力を図っている。

次の方どうぞ、メグの番がきた。

君何歳?

10歳です。

では、目を閉じてリラックスして、そのまま力を解放して。

はい。

メグは言われた通りにやると、近くの計測器のメーターが上がり出した。

なかなか高いね、もうちょっと上げれる?

はい!

メグは全力を出した、するとメーターが振り切れてしまった。

小学生でこれだけの魔力は逸材だね、いいでしょう、代表に話を通してあげますね。

やったー!

結果は合格だった。

一方シャルルは軽くやっただけで計測器が振り切れ、本当に50パーセント?と驚きながら疑われてしまったが、合格した。

では、明日早朝迎えに行きます、準備しててくださいね。

はい!









朝、約束通り、小型のバスが家に発着、メグが乗ると既にシャルルがいた。

審査なんて楽勝!

ロシアの審査はもっと厳しいけどね。

これからが本番だよ、代表になれるかな?

当り前よ!2人でなりましょう。

うん!

スポーツセンターに到着した。











ちょうどフィールドではパターンの練習が行われていた。

あれ?フィールドの障害物の置き方が全然違う、とメグ。

メグ、あの置き方は国際基準で決められている置き方よ、なかなか機械的でしょ。

草風花とは違うなぁ。

正確無比な戦術が必要になるわ、移動だそうよ。








フィールドの外に選手全員が集められ、挑戦者は自己紹介をした。

キャプテンのすみれが自己紹介した。

U−15世代総監督である玲奈女史の後任になると噂されるすみれさん、日本にはすごいのがいるわね、とシャルル。

そしてシャルルが名乗ると、選手全員はどよめいた。

ロシアで有名な絶対零度の魔女だ・・・・。

こんな大物がわたしたちのチームに・・?

すると、キャプテンがメグに近寄ってきた。

すみれ、どうした?

この方は議事堂防衛戦でお見かけしましたわね。

名前はメグさんでしたね。

は・・・はい!

すみれはメグの顔をじっと見た。

賢くて真剣な目をしてるけど、戦士になりきれない、そんな目。

監督、この方をAチームのボランチに入れてもよろしくて?

ほう、お目が高いなすみれ、俺もそう思っていた所だ。

シャルル、お前はBチームにつけ、練習試合を行う。

ワントップ起用だ。

待って!それじゃああたしの出番はないってわけ!?

横から気の強そうな女の子が出てくる。

燐火は右サイドだ、文句ないな?

がっかり、燐火はそう言うとおとなしくなった。














ルールは1回戦のみに決まった。

指輪をつけ、フィールドに散る。

試合開始の笛が鳴る。

最初に仕掛けたのはBチームのシャルルだった。

Aチームのワントップを瞬殺すると、すみれに襲い掛かった!

まず、小規模の吹雪に氷を乗せた竜巻を放った。

さすが、絶対零度の魔女、魔法にキレがある、重さもとてつもない。

しかし甘くてよ!

するとその竜巻は光の手に弾かれてそれていった。

そのあと、すぐにレーザーがシャルルを襲う。

光属性に雷属性の混同!?

玲奈女史しかまともに扱えなかった「月光」魔法をこんなにも簡単に!?

間一髪回避に成功したが、距離をつめられ、格闘戦へ。

ルール上、合気道の技しか使えないのが残念ですが、圧倒するには十分です。

なんの!!

しかし形勢は少しずつ不利になり、最後は固められてしまった。

あと5秒だよ、どうする?

あなたの脱落が、あと5秒だとおっしゃるんですか?

ルール上は、関節技を5秒以上かけてはいけない。

放した瞬間、床を凍らせようとするが、すみれの素早く、シンプルな攻撃に圧倒され。

最後のパンチが胸にヒットすると、大きな音がした。

脱落!

しまった!

シャルルの魔石の光がぱっと消えた、シャルルは敗北した。

そんな!

あなたは大技ばかり使いすぎる、実戦で役に立つのは基本重視のシンプルな技ですよ。

Bチームのワントップは崩れ去った。

一騎打ちをしているうちに、Bチームが陣形を整えて押してきた。

中央突破を図る相手にメグは。

そこの人!もうちょっと右へ!わたしと挟み込むの!

左サイドの人!引きすぎ!守りの体勢に入らないで!

的確に指示するが、陣形無視の燐火が右サイドを突破、右サイドのMFを抜き去った。

さらに進んで、日本伝統の屈強なDFすらも抜いた。

しかし、U−12世代最高のDFである、ナギは抜けず、止まっているうちに2人に挟まれ敗退した。

その時、ボランチのメグに向かって2人が挟撃してきた。

なんとか立ち回るが、「サンド」の状態になり、やられそうになったところをすみれがフォローした。

なかなかの指揮じゃない、でもボランチがそんなに弱くてはやってられないですよ。

その後は守備が整い、すみれに頼った攻撃で相手を4人まで減らし、相手のクリスタルに触れ、勝負がついた。






この結果どうでしょうか、監督と話すすみれ。

いいな。

すると、メグ、明日から代表に入れ。

控えで使ってやる。

えー!

メグさん、あなたの能力に対する正当な評価ですよ、えー!はないでしょう。

はい・・・・。

シャルルは1軍だ、これで決定力不足が解消されるな♪

あと、燐火も合格、控えで明日からこい。

はい・・・・・・・・・・・。

控えか、燐火は暗い表情だ。

3人は帰宅して、結果を話すことになった。






すごいじゃないかメグ!父さんの見立て通りだ!

母さんも応援してるからね!

うん!



その夜、シャルルと電話したあと、嬉しさいっぱいでベットにダイブすると、深い眠りに落ちていった。






桜の戦士達の花型スポーツ、風花、その歴史は長く、西洋では1200年頃から行われていた。

日本は国際杯最多優勝を誇る国だけあって、責務は重く、それだけ人に期待される存在である。

メグは、風花U−12日本代表控え選手として、代表入りを果たし、夢へ向かっていくのだった・・・・。



第3話-新芽


メグ!もう少し立ち回り方を変えたらどうだ?

シャルル、少し突っ込みすぎだぞ。

すみれ、もう少しフォローしてやれ。

燐火、ポジションを無視するな!突破力をもっと生かせ!

メグちゃん、ここ2週間で急成長しましたね、監督。

成長スピードが半端ないな、まるで水を得た魚のようだ。

よーし!今日の練習はこれまでだ、上がっていいぞ!

はーい!

それとメグとシャルル、ちょっとこい。

はい?

警察署から応援要請だ、この町はメグとシャルルの直轄だろう、頑張ってこい。

はい!

シャルルちゃん、今回も頑張ろう!

そのつもりよ!

少女達は町へ繰り出した。










警察署に着いた、そこでは知り合いの刑事さんがソファーに座らせ、なにやら資料を見せてきた。

連続強制わいせつ犯、三橋徹、ニュースで見たよね?

メグとシャルルが口を揃えて、女の子を狙う悪者、許せません!

俺も許せないさ、必ず捕まえよう。

しかしだ、この橋徹、元自衛官に手ほどきを受けたらしく、強化魔法を駆使する。

先日も警察官相手に大立ち回りをして逃走されてしまったよ。

自衛隊特殊格闘術を一般人に教えるのは法律違反で極刑の対象、教えた元自衛官も逮捕せねばな。

ひぇぇぇぇ!自衛隊特殊格闘術の修得者!?

メグ、なかなか歯ごたえがある相手じゃない。

でも、間接技とか、魔法少女にも効くパンチとか繰り出すんだよ?

そんなの、当たらなきゃ意味ないじゃない、なにびびってんの?

シャルルちゃんは勇敢すぎだよー。

安心してくれ、今回は機動隊員2名と一緒だ、君達には援護を頼みたい。

それなら良かったぁ、機動隊員の人達、めちゃくちゃ強いもん。

では今夜、代表も忙しいとのは思うが、頼んだよ。

はい!

2人はシンクロした。








夜、2名の機動隊員と一般警察官1人を乗せたパトカーがやってきて、メグとシャルルを迎えた。

さすがに女の子にあんな危険な相手は厳しいからね、今回は連携させてもらうよ。

頼もしい限りです、メグが安心した様子でしゃべる。

シャルルが、銃まで携帯して、それで犯人撃っちゃうの?

銃などの武器は扱う人を自ら選ぶ、適さない者へは裏切りを行う、私は銃を従わせている、適さない者は逆に銃に従っている。

ほどなくして怪しい住宅街の奥へ入った。

ここで降りよう、君は待機だ。

はっ!

他のパトカーが見えないけど?

警察は犯人の潜伏先に目星をつけていてね。

今日包囲作戦を開始しているのだよ。

円を描くように配置した機動隊員が全方位から少しずつ中へ範囲を狭めていって、犯人を見つけるという戦略だ。

警察としても、あんな凶悪犯を早く捕まえないと、市民の安全が脅かされるから、大量動員しているのさ。

メグが、有効な兵法、警察の方もすごいです。

このくらい当たり前のように全国でやっているよ、では進もう。

そう言うと、機動隊員2人は怪しい家屋を訪ね歩いた。

ちらほら、覆面刑事さんや覆面警察官の姿が見えた。

するとメグが疑問をぶつける。

なんで犯人の居場所を特定してないんですか?

犯人はコンクリートを破壊するほどのパンチを連発できる凶悪犯。

居場所を特定するまで待っていると、市民が不安でパニックになってしまうのだよ。

大丈夫、そういう奴らは昔からいつもこうして捕まえている。

アパートの2階へ上がった、ひとつひとつ部屋を見つめていく。

すると突然、機動隊員が、ん?ここは当たりだな、至急連絡!犯人発見!犯人発見!杉並区、座標Y15Z12で追跡開始します。

え?

と思った瞬間!機動隊員が扉にサイドキックをお見舞い!

扉は破壊され、機動隊員が突っ込んでいく!

犯人確認!

すると機動隊員は部屋の中で誰かにタックルを仕掛けたが。

犯人らしき人物はまるで5分前から分かっていたかのように綺麗に受けて、既に開いている窓から逃げ出した!

すると裏に待ち受けていた警察官2名ともみ合いになるが、怪力で脱出して逃走を開始した。

機動隊員が、ヘリ要請、ヘリ要請!

メグ君、シャルル君、やることは分かるね?

はい!

2人は犯人を追跡した。









上空ではヘリが旋回、パトカーを誘導する、地上では警察官と犯人の逃走劇。

メグとシャルルは大人よりも身軽なので、すぐに犯人に追いついた。

追うこと5分、犯人は行き止まりに入り、動けなくなった。

すると犯人は反転、かまえをとると、微妙な煙が発生した。

強化魔法レベル3、メグ、気をつけて。

うん!

まず、メグが風魔法を当てた、犯人は綺麗に転んだ。

そしてシャルルが犯人の足元を凍らせて立ち上がれなくした。

そこに警察官3名がのしかかり、一時は逮捕というところで、いきなりバカ力を出した犯人が脱出。

メグに突っ込んできた!

わー!危ない!シャルルが止めに入ったが、犯人を止められなかった。

危機一髪、その時、メグは代表で習った合気道の技を思い出した。

メグは体を横にすると、ゆっくりとしたタックルを犯人に仕掛けた。

懐に入ったタックル、犯人は軽い感じで吹っ飛ぶと、犯人は脱力してそのまま動けなくなった。

強化魔法の使い過ぎで、脱力して気絶、これだから素人は!とシャルル。

警察官が腕輪と手錠で逮捕すると、応援を受けたパトカーがぞろぞろ集まって、さっきの機動隊員も加わった。

おてがらだね!これで魔法少女の名声は上がるだろう!

もう夜も深い、事後処理は大人に任せて、君達は帰りなさい。

はい!

少女は刑事さんの社用車に乗せられ、帰宅した。









家では、お手柄だったじゃない!メグ!

ちょっと怖かったな。

魔法少女がやられたことは、この3年間で1件もないが、無事で良かった。

今日はおやすみ。

母と父は笑顔で答えた。













1日休養をもらって復帰したメグとシャルルにニュースが舞い込んできた。

えー!あのMSバルセロナ・ガールズが来日!?

そうだ、1週間後に公式戦を組んである。

存分に戦え。

すごいねー、シャルルちゃん、世界1のビッククラブだよ?

バルセロナめー!わたしがCKモスクワ時代に負けまくった相手だよ。

そうなの?

世界最強3トップ。

センターは同じロシア出身のシャルロッテ、U−12世代最高の選手で、飛び級でU−19にも選出されたこともある天才中の天才!

右FWはイギリスで有名なロザリー、左FWはフランス代表ベル、どちらも突破力は最高クラスよ。

あんなのを相手にするなんて、わたしの大一番ね!

予定された布陣を発表する、メグ、お前はトップ下だ。

はぃぃぃ!?

ひるむな、次、すみれは左FW、シャルルは右FW。

燐火、お前は右MFだ。

また!?監督!あたしはCFをやりたいです!

お前は突破力がある、右MFが適任だ。

むぅ。

今日はこの布陣で練習だ、フィールドに散れ。

そうすると、練習が開始された。












1週間後、メグ達を乗せたバスは大都市のスタジアムに到着した。

すごい・・・・。

何おどろいてんの、世界大会はこんなの小さいほうよ。

シャルルちゃん、すごい世界で戦ってたんだね。

その分、プレッシャーも世界レベルよ、何度泣いたことか。

泣いた?

泣くでしょ、普通。

選手達はバスから降りて、ミーティングルームへ入った。

今回の試合も、フラット8を使用する。

全員が戦線を凝縮し、援護をかけやすいように戦う。

崩されなければ突破は不可能だが、少しでも崩れた際には突破を容易に許す。

メグ、お前の役割は重要だ、頼むぞ。

はい!ひぇぇぇ!メグはひるんだ。

ミーティングが終わり、ロッカーを開け、メグは代表のユニフォームに初めて袖を通す。

これが代表のユニフォームの特注セーラー服!?

かわいいでしょ?と横からシャルル。

代表のユニフォームはみんなこんなにかわいいのよ♪

着応えがあるよ!と大はしゃぎのメグ。

シャルルは満面の笑みで気持ちを表現していく。

女の子にジャストフィットするこの可憐なデザイン!もうたまらない!!

そのあと、ユニフォームについて語っているうちに、時間になった。

選手入場だ。

選手がずらりと並び、その中にはロシア出身のシャルロッテ。

シャルルと目が合うと、睨み、シャルルは睨み返した。

姉さん、久しぶりね。

シャルル、容赦はしないわよ。

2人はロシア語で会話した。

フィールドへ向かうと、スタジアムの60パーセントを埋めた声援がチームを迎える。

その時、あの時テレビで見た、夢の舞台、自分もとうとうそこに立つ日がきたんだと、嬉しさでいっぱいになった。

不安も混じったが、喜びがそれを中和した。

ナギがメグに、大丈夫?

体力なら安心して、学業との両立はたいへんだから、今回は2回戦だけだよ。

優しく声をかけると、ナギは元の位置に戻った。





両チームの握手のあと。

フィールドに散り、審判が試合開始の笛を吹く。

開始早々バルセロナは激しい牽制を仕掛け、日本も応戦した。

世界最高のシャルロッテが相手わたしは迂闊に飛び出せない相手も同じだった、シャルルはシャルロッテと我慢比べをした。

左サイドの人!もう3メートル上がって!燐火ちゃん、突破ばかり考えないで!

DFの人!後ろに下がりすぎ!

守備は奇跡といえるほど、機能していた。

開始5分、敵3トップ3人はすみれとシャルルを強襲した。

シャルロッテは光属性と氷属性の合成魔法で、シャルルを圧倒。

ロザリーとベルはすみれを囲んで身動きをさせない。

世界最強の攻撃が牙をむいた。

どうしよう!これわたしがいかなきゃ負けちゃう!

迷っていたメグだが、迷いをふっきって前に出て、魔法を唱える。

スピニングベイ!

すると風のコマが3個現れ、シャルロッテを襲うが、簡単に爆破されて対応された。

前線では熱闘が繰り広げられる。

するとシャルロッテが、メグに向かってきた!

そう、トップ下をいかに叩くかが、勝利の鍵なのだ、トップ下はどうしても標的になる。

シャルロッテは手を下から上にうちあげると、直線上に氷が現れ、波のようにメグに向かう。

あまりにも範囲が広く、素早かったが、メグは自分の足元に突風を吹き付けて後ろへジャンプしてかわした。

距離をつめてくるシャルロッテ、うまく立ち回ったつもりだったが、相手が2枚も上手だった。

チョップを仕掛けてきて、メグはその攻撃に必殺技「ブレイブクロス」を当てた。

2枚の風の刃はシャルロッテのチョップに正面からヒット!

すごい音がして、シャルロッテは大きく後ろへ後退し、すみれに挟まれる前に退却した。

しかし、その隙を逃さなかったシャルルが、障害物から突然出てきて、不意打ちを行い、攻撃がクリーンヒット

シャルロッテの魔石は大ダメージを受け、魔石の光が乏しくなった。

その3分後、シャルロッテが力つきた。

会場は大盛り上がりだ。

最強3トップの顔シャルロッテが敗退したことで、じりじりと後退を重ねていくバルセロナ。

1人、また1人と脱落者が出始め、右サイドを突破した燐火を抑えることができず、そのまま燐火にクリスタルを触られ。

バルセロナは1点を取られた。

やった!チームが喜びの中へ入る。

すみれが、まだ勝ったわけではありません、皆さん気を引き締めて、と号令した。

2回戦は、牽制だけで終わり、結局15分の時間切れ、1−0で日本が勝利した。

このニュースは新聞で半面を使って取り上げられ、国民の話題を誘った。







   



試合後、チームで勝利の宴が開催された。

シャルルちゃん、世界最強の人に一歩も負けなかったね。

メグこそ、あんなの相手にやられないなんて、たいしたものよ。

すみれが来て、メグさん、中々強くなりましたね。

とすみれはメグの目を見た。

戦士として形になっています、この調子、とすみれは褒めた。

すみれは燐火を誉めようと、その場を後にした。

宴が終わり、家に帰ると、両親がいきなりクラッカーを使ってお出迎え。

勝利パーティーを開催した。

メグは喜びに胸をときめかせたまま、その日を終えた・・・・。





戦士として形になりつつある、メグ、たった2週間で力をつけ。

雛鳥は若鷹へと変貌していくのであった。



第4話-風花


メ〜グ♪明日町行かない?

えぇー!いくいく!

じゃあ明日、迎えにいくわね!

うん!

町かぁ!新作のワンピース欲しかったんだよね!

あとは!売り切れ必須の猫次郎のストラップ!

町のワンニャンショップしか売ってないんだよねー!

楽しみー!

えへ♪今日は早く寝ちゃお!





 

翌日、メグー!

はーい!

メグは意気揚揚と玄関の扉を開けた。

そこには笑顔のシャルルが。

メグも笑顔で。

おはよう!

おはよ!メグ!

2人は駅へ歩いていった。

ちょっと寒くなってきたね。

そう?だとしたらロシア生まれのわたしにはちょうどいいくらいよ。

ロシアって寒いの?

今度来てみる?真冬に。

ちょっと寒すぎるイメージがあるから遠慮したいなぁ。

想像以上だよ♪

2人は駅に着き、電車に搭乗し、大都市に到着した。




すごーい!高いビル!

久々ね〜♪

メグはキョロキョロ辺りを見回す。

メグ!あんまりキョロキョロすると田舎者だと思われるわよ。

でも、田舎は田舎のいいところがあるし、都会だからって全てがいいとは限らないけど。

かなり目立つって話よ、駅前の公園を通り抜けましょ。

公園には花壇があり、花が咲いていた。

メグとシャルルは目を奪われた。

綺麗ね、こんなビル街のど真ん中にお花が咲いてるなんて。

ふと脇には名もない花が、花壇とは別に咲いていた。

あら?このお花はなんでこんなところに咲いてるのかしら?

シャルルちゃん、このお花も、人に見てもらいたいんだよ。

お花がなんで人里にたくさん咲いているかってこと、知ってる?

ステキなこと言うわねーメグはもの知りね、本とかも読んでる?

本はいろいろ読んだよ♪

読書好きはいやでも物知りになるから、すごいわぁ。

シャルルちゃん、クレープ売ってるよ、食べよ。

あっ!あんな遠くに!メグ目がいい!

2人はクレープを食べ、食べ終わると繁華街へたどり着いた。

あー!新作のワンピース!

メグは服屋に直行した。

へー!かわいいわね、でも、値札を見たほうがいいわよ。

ん?

5000円だけど、お母さんが前の事件で口座に入った分の報奨金をくれたから、買えるよ?

大胆に使うわねー。

わたしはこれにしようかしら。

ん?これもいいな、シャルルちゃん!わたし試着してみるね!

あら?さっきとは違う?ワンピース、お金なくなっちゃうわよ。

しばらくすると、白のワンピースを着たメグが現れた。

わぁ!白いワンピースなんて自信ありすぎ!

えへへ!これも買っちゃお♪3700円?大丈夫!大丈夫!

ひぇぇぇぇ!メグ、もう服屋からは出よう!見てるこっちが恐ろしくなってきた!

2人は会計すると、繁華街へ出た。



どこいくのか、2人で検討していると、中学生2人組みが話かけてきた。

よぅ!お茶しない?

するとメグが、いきなり女の子にそんな軽々しく声をかけるなんて、女の子に対する礼儀がなっていないと思う。

そんなんじゃ、女の子と付き合う資格なんてないね、と続けてシャルル。

そんなこと言うなよ〜。

ほら、パフェおごってあげるから話だけでも。

と、1人がシャルルの手をつかもうとしたが、シャルルはその手を逆につかんで。

手首をひねった。

うぎゃー!

男の子が悲鳴をあげる。

さらにシャルルはおまけとばかりに技がかかった状態でしゃがみ、男の子も同時に転倒した。

うんぎゃゃゃーーー!離してー

10数えるから、後ろ向いてダッシュ、いいわね?

もう1人が青ざめている。

ごめんなさい!

シャルルが離すと、2人は逃走していった。









休憩がてらに喫茶店に入った。

中はお客さんがたくさんいて、とても賑やかだ。

2人はテーブルに座った。

しばらくしてドリンクが来て、2人はそれを飲みながら話はじめた。

メグが、シャルルちゃんって、好きな人いる?

ん?いないわよ。

そっかーいがーい。

どうして?

だってすごい美少女だもん。

女の子ってのは経験の深さで容姿も変わるもんよ、元からじゃないし。

へーすごーい。

メグこそ、なにか1つや2つはあるよね?

それがないの。

どうしたらいい人が見つかるのかなあ。

女を磨いていれば、いい人が向こうから見つけてくれるわよ。

すごーい、大人の発言!

そういえばメグ、さっきすれ違った男の子に目を奪われてたよね?

その人が、突然「メグのことが好き!」って言ったらどうする?

でも男の人って言ってることとやっていることがたまに違うから、気をつけろってお母さんに言われたしなぁ。

そーなの!

そうだって。

へー初耳。

2人はその後注文を取りながら何時間も話し続けた。

町を一周して、休憩しながら、3時になった。

ゲームセンターにたどり着くと、なにやら向こうから。

あー!あたしの永遠のライバル!

といい、女の子が駆け寄ってきた。

近くに来るとシャルルに。

このー!あたしからCFをとった泥棒!

あら?確か燐火って娘。

ここで会ったが百年目よ!あのゲームで勝負しなさい!

負けたらCFの座は頂くわ!

いいわよ、その代わりわたしが勝ったら二度と楯突かないこと、いいわね?

ちょっとシャルルちゃん!大事なポジションがかかってるんだよ?

シャルルが耳打ちすると、あのゲーム、わたしの家にあるから自信たっぷりよ!

あー!自信があるとないとでは内容がぜんぜん違うから!

2人は席についた。





フライトシュミュレーター?

1対1で戦う、本格派のゲームよ。

燐火が、このゲームは何回かやったことあるの!負けないわよ!

負けさせてあげる。

機体セレクト画面になった。

わたしはFB-15。

あたしはF/A-16、見てなさい!そんなのより旋回性能は上よ!

戦闘が開始された。

両機がすれ違う。

激しい旋回が続く。

すると燐火が旋回に追いつき、ロックオン!

メグが、わー!負けちゃう!

と思った途端、燐火機の旋回がにぶる。

あれ?

速度計見てないの?失速してるわよ。

えぇぇー!

F/A-16は旋回性能が高い分、エンジンパワーが非力で、失速しやすいのよ。

いわゆる上級者向けだ!隣でメグがつぶやく。

それに比べて、FB-15は世界クラスのエンジンパワーによる維持旋回に定評があるのよ。

失速してるのに強引に回ろうとして、全く動けなくなる燐火機。

それでも強引にシャルル機を追って「ストール!」の警告が鳴る。

燐火はううぅぅ!とうなって、その後なんとか体制を立て直したが、シャルル機がラダーを駆使したバレルロールで背後に回った!

ロックオンしてミサイルを放ち、それをギリギリでフレアで避けた燐火機だったが。

上空に上がったシャルル機が、急降下しつつロックオン!

ミサイル2発目で燐火機は散った。

悔しいぃぃぃぃ!

台をバンバン叩く燐火。

これで分かった?格が違うのよ。

あきらめないからねー!と言うと、燐火は逃げ去った。

そういえばテレビで、世の中には2種類の人間がいるって聞いたけど。

それって勝者と敗者のことかしら?

たった2種類?天文的な数がいるよ、そのテレビの人は人間の奥深さを知らないんだね。

ふと、さっきのゲームに疑問が残っていたので、ぶつけてみた。

ところで、シャルルちゃんありえないくらい強く見えたけど?

知り合いに航空自衛隊の元パイロットがいるのよ♪

そう言うとスキップで移動していった。

ほらメグ、プリ☆キラ取るわよ。

うん!

メグは不思議そうな顔でシャルルの後についていった。




夕暮れになった。

今日は楽しかったねー!

また遊ぼうね!メグ♪

メグとシャルルは手を繋ぎ、満面の笑みを浮かべながら、小さくスキップしていた。

そして2人は暗くならないうちに、電車に乗り、帰宅した。






 


次の日、いきなり母が呼ぶ。

メグー!いい知らせよ!

なにー?

母は届いた手紙を差し出す。

読んでみて♪

封を開けると、日本風花協会からだった。

えーと。

あなたを風花U−12日本代表の正式なメンバーとして認めます。

えー!!

やったわねー!!

さすがお母さんの子よ!

すぐにシャルルに電話したら、自分の所にも届いたとのこと。

憧れの舞台に立ち続けれる!少女は希望でときめいた!

それを宝箱にしまうと、メグは思いっきりジャンプした!





メグの黄金時代、それを支え、共に歩む仲間達。

風に舞う花は、いつまでも美しく存在している・・・。



第5-覚醒


そこのあなた!何やってるの!それで1流魔法少女を名乗ってるの!?

あなたは戦士ではない!ここにくる資格なんてなかったのよ!

そんな!?

10歳の少女には荷が重すぎたんだね。

そうだよ、ほとんどが14歳で構成されているから。

うう・・・!わたし!わたし・・・!!

ばっ・・・・!夢?

うー!昔の夢なんて見るなんて、朝からなんなの・・・・・。

とりあいず起きよう。

おはよう!お母さん、お父さん!

おーメグ!おはよう。

メグおはよう!

ん?これは何?

それはなー。

日本代表の召集状だ、なんでも特別試合を組むそうだ。

頑張ってこいよ!

うん!

それとだなー。

メグは忙しいからしばらくはこの地域にいるプロの魔法少女が、警察に協力するそうだ。

その人達はたまに暇してるから、ちょうどいいかもな。

プロ?

聞いてないの?メグ、プロは国の資格試験を通った大人の魔法少女で。

魔法具によって魔力を維持する最高の戦力なのよ。

普段は県の直轄で動いていて、国の有事に動くエリート中のエリートよ。

そんなのがいるんだー。

メグ、しばらく風花してないだろ?シャルルちゃんと技量維持に努めなさい。

はーい。

メグはしばらくすると意気揚揚と公園へ出かけた。

シャルルに出会った、挨拶を済ますと、ベンチに座って話し始めた。

シャルルちゃん、初めて魔力に火がついた日、覚えてる?

そうね、小学生1年の頃だったわね、「光」を持ってるって言われて。

その町の魔法科クリニックで知識を入れられて、魔法が使えるようになったんだわね。

わたしも同じ、初めて使った魔法は風起こし、あれで紙飛行機飛ばして遊んだっけ。

シャルルちゃんは?

わたしは氷魔法でジュースに入れる氷を作って投入したわね。

いい思い出よ。

2人は思い出話に花を咲かせた。






午後になって、1台のバスが到着した、代表召集用のバスで、2人は乗り込み、出発した。

合宿場に来た、監督と選手全員が集まっていた。

えー今回招集されたのは風花日本U−15代表との特別試合、しかも公式試合が行われることになった。

うそー!!全員がおどろく。

メグが気絶しそうになるのを、余裕顔のシャルルが支えた。

だって!あの香奈さんとるみさんがいるU−15だよ!?

香奈さんは大ベテランで、1人でチームを支えてきた生粋のトップ下。

るみさんはルーミィの愛称で知られる有名人、世界大会で撃破女王を獲得したU−15世代最強のCF。

これだけでもうダメ!

するとシャルルが真剣な顔で、相手が強いからって、ひるむ理由にはならないじゃない、ほら立って。

ポジションを発表するぞ、左FWメグ、右FWシャルル、OMFすみれ、OMF燐火、ダブルOMFだ。

わたしが?FW?

ん?メグはシャルルとの連携が冴えてる、攻撃力は問題ない、行けるだろ?

はい!

いい返事だ、では今日中に仕上げて、3日後に臨むぞ。

一同は大きく返事をした。






3日後、U−12メンバーは風花国立競技場にいた。

こんな豪華な設備、他にはないなぁ。

あっ!見てみて!マジックメーカーがある!この前魔石磨いてもらったよね。

メグ!それめちゃくちゃな高級品よ!500万円するわ!その分性能は最高級よ!

えぇー!!すごいのがある!!

おーい集まれー、監督が呼んだ。

今回はツートップを中心に攻撃を仕掛ける、ミッドフィルダーは侵入前に攻撃を防げ。

特にるみは強敵だ、一瞬の油断が命取りになるぞ、気を引き締めろ!

はい!

選手入場となった。

香奈がいる、見つめていると、香奈は笑顔で返してきた。

入場するとびっくり!観客は超満員だ!

すごーい、U−15は一番人気があるだけあって、すごい人・・・・。

プレッシャーで胸がドキドキするが、そのうちワクワクが大きくなり、中和された。

試合開始位置についた、全員はものすごく真剣な顔で待機し、開始の笛が響いた。








試合は牽制から始まった。

るみが容赦ない遠距離攻撃を仕掛けてきたが、シャルルはなんとか対応する。

なんて精度と威力が高い遠距離砲・・・でも負けない!!

するとじりじりとU−15はラインを押し上げてきた。

メグもシャルルと一緒に応戦するが、圧倒されていく。

るみと香奈が飛び出してきた!!

るみはシャルルを完璧に抜くと、すみれと燐火と2対1になった。

すごいですね、るみさんのスピード・・・でも相手も人間・・スキくらいできます!!

しかし、なかなかスキを見せず、2人と互角以上に戦っている。

メグと香奈が接敵した。

メグちゃんね!前から見てたけど、あなたに風花は向いてないわ!

向いてない人がこんなところにいるもんですか!

激しく2人は火花を散らした、だがベテランには及ばず、じりじりと追い詰められていく。

得意の中距離戦で戦うメグ。

わっ!しまった!

メグは体勢を崩した、すかさず香奈が間合いを詰める。

実力差がある相手なら、接近して仕留めた方が手っ取り早く倒せる!

メグに接近した香奈はメグに風魔法「F・Sエクストリーム」を当てて吹っ飛ばした!!

その攻撃でメグの魔石の光が消え、敗退してしまった。

それを期に、U−15は一気にラインを押し上げ、2人抜きをしたるみにクリスタルを触られてしまった!

うー!!

泣きそうになるメグに、シャルルが近寄ってきて、メグを抱きしめた。

よくやってるよメグ、まだ負けたわけじゃない、次も頑張ろう。

2回戦は、すみれとシャルル、そして守備が奇跡といえるほど機能していたので。

燐火がギリギリでU−15のクリスタルを触ることができ、勝利した。

燐火って娘やるわねー。

いいや、すみれの援護のおかげだ、シャルルの牽制もいい。

なんだかU−15の香奈とるみ以外は油断してるな。

観客が声援を送る。

メグは暗い表情でフィールドに立っている。

3回戦になった。

るみと香奈が仕上げとばかりに突っ込んでくる。

再び香奈とメグが接敵した。

そんなんで、この舞台に立ち続けるつもり?

わたしはやれる・・・。

やれないって顔してるわよ!

昔から何も変わってないのよ!さぁ!どいて!

昔から何も変わってない・・・・?

確かにわたしは昔からドジでマヌケだった。

いつも足を引っ張ってばかりで、何もできない。

でも、そんなわたしでも強くなりたいって思えた。

それから代表に入って、特訓して、まともに戦えるようになった・・・・。

わたしは変わりたい、昔の自分が過去といえるほど、変わりたい・・・。

いつまでも!弱い自分なんて!何もできないなんて!そんなの魔法少女じゃない!!

すると、メグの周りから突風が吹き始めた!!

くっ!前から思ってたけど、この娘、「光」が強まると魔力が一気に成長する・・・!!

これまでは負けないように戦ってきた、でも今は勝つように戦う!!

行きます!!

いいわ!かかってらっしゃい!!

メグはいきなり突進すると、香奈の目の前から消えた!!

風の分身!ファントムブレイ!!

こんな高度な魔法を使えるなんて!?

すると横から攻撃!

「ホーリークロス!!」

白い真空の刃が香奈を襲う!!

わたしだって、風魔法の使い手!なんのこれしき!!

しかし同じ系統の魔法で立ち向かったが、全く歯が立たず、香奈は吹っ飛ばされた!

うわぁ!!

フェアリー!!

複数の風の刃が剣の形になり、香奈を襲う!!

超級魔法!?うそでしょ!!

きゃあ!!

香奈は激しい攻撃を受け、敗退した。

香奈の頭の中が真っ白になっている間に、メグは敵陣に突っ込んでいった。

あわててるみが戻ってきてメグの前に立ちはだかった。

サイクロン!!

巨大な竜巻が発生し、敵に向かう、その竜巻に氷がプラスされた、シャルルの合成だ。

なんて強力な魔力!!援護するわよメグ。

るみが放つ。

あんたがあたしに勝てる要素があると思うの!?

自分の力を否定した時点で、弱者の仲間になるんです!!

るみがものすごい大技の炎魔法でギリギリで受け止め、接近戦になった。

接近戦が苦手なはずのメグが世界得点女王を圧倒していく!!

ぐっ!!この娘ゾーンに入ってる!!このままじゃ!!

その時!U−15のメンバーが押し寄せてきたが、すみれとシャルルが援護しつつ、るみを囲んだ。

うそっ!このあたしが!!

そのままるみは押し負けたところをシャルルに一撃入れられ、敗退した。

するともう勝ち目がなくなったU−15メンバーは士気が下がり、U−12に押されてクリスタルを触られ。

なんと敗退した!!

観客は大盛り上がりだ!!

すごーい!!メグって娘がひとりで年上のチームを崩した!!

いいぞー!!名勝負だなぁ!!

日本中が見ていたぞ!!素晴らしい!!

観客の声援が止まらない!!

メグは落ち着くと香奈に近寄ってきた。

これでも戦士ではないと、言えますか?

恐れ入ったわ、わたしの負け、あんなこと言ってごめんなさいね。

両チーム握手するとその場を後にした。

ロッカールームではメグを称えるメンバー。

メグは笑顔で応えて、その称賛はなかなか終わることがなかった。







次の日。

メグー!!この新聞見て!!

朝からシャルルの声がする。

メグは笑顔でシャルルを家に入れると、部屋で雑談を開始した。

メグ!!最強の魔法少女現る!!だって!!メグのこと書いてあるよ!!

あれだけの活躍をしたんだもん、それはそうなるよ。

ん?メグ?それは?

名門プレジール浜松のジュニアユースからの招待状だよ。

すごーい!バルセロナの次に有名なあのプレジール浜松!!

入団はこれから考えるけど、わたしけっこう有名人になったなぁ。

そうよ!!メグは日本中の有名人よ!!

あーメグがこうなると嬉しいわぁ!!

ありがとシャルルちゃん、次の代表試合はシャトルツ横浜との一戦。

頑張ろうね!

当り前よ!

わたし、世界一の選手になるよ!!

メグならなれるわよ!一緒に頑張ろうね!!

2人はお互いの手を叩くように合わせると、輝く黄金の未来に想いを馳せた。

 







雛は若鳥に、若鳥は立派な鷹に。

まさに王道を突き進むメグ。

新たな目標を胸に、メグはこれからも人生を歩んでいく・・・。




風花、