ひとまる!


第1話-ひとまる!


できたー!!

わたしたちの婚約届!!

中々うまくできたわね。

これをファイルに挟んで、明日学校に見せびらかしてみるのです♪

楽しみだわー♪

どんな反応するか♪

では今日はお泊りなので、就寝といきますか♪

行きますねー♪





翌朝。

うさ、朝よ。

んー宇宙(そら)ちゃん・・・。

すると寝ぼけて、うさは宇宙の顔を両手で掴んだ!

!?

ちょっと!?

宇宙ちゃんと・・・うふ♪

目をつむったままのうさ、宇宙は顔が真っ赤になって振りほどいた。

何やってんの!!

宇宙はうさを激しくゆすると、うさはとうとう目を覚ました。

するといきなり立ち上がって。

宇宙ちゃん、たまには抱きしめさせて。

は!?

うさは宇宙を襲ったが、振りほどかれて転倒した。

寝ぼけてないで、さぁ!

宇宙はうさを引きずって廊下まで出た。

洗面所まで引きづり、なんとか髪をセット。

ツインロールをセットしたうさと。

ロングで両髪リボンの宇宙。

とてもかわいらしい、雰囲気のふたりが鏡の前でにっこりほほ笑む。





支度を済ませ、仲良く2人で登校。

学校に着き、早くもファンに囲まれる2人。

うさちゃんおはよー!

あれ?なんかいい顔だねー♪

うさちゃん、昨日の「襲撃!隣の晩ご飯」見た?

見た見たー!佐藤さんの晩ご飯が10人前オムライスだったねー。

早朝から雑談に花が咲く。

うさ、あれよあれ♪

宇宙が催促する。

あっそうだ♪あれを忘れちゃいけないねー♪

あのねー、昨日宇宙ちゃんと婚約届け書いてみてね。

ほらこのファイルに・・・・。

うさと一緒に書いたのよ、なかなかの出来栄えね。

宇宙ちゃん・・・。

なにようさ。

ない・・・。

は?

ないよー!!

まさか無くしたんじゃ!?

たぶん家にあると思うから、大丈夫♪

しかし何かが不安なふたり、しばらくソワソワしていた。

お昼は2人とファンを交えて賑やかに食べ。

授業は普通にこなし。

ごく普通の日を過ごした。

下校してしばらく、2人は知り合いのお姉さんと遭遇した。

あーたま姉!

活発そうな女性を乗せたトラックが走ってきた。

うさが手をふる。

トラックは2人の近くで停止した。

おー!うさとそらか、いいもんあるぞー持ってけー!

たま姉はカップアイスをくれた。

ありがとー!!

2人はシンクロしながら、カップアイスをご賞味。

雑談に花が咲いた。

それでなー。

今日婚約届を拾ってな、印鑑も押してあったもんだから。

市役所まで届けてやったぞ。

ん・・・?

2人はアイスのへらを落とした。

それって名前書いてませんでした?

宇宙が尋ねる。

あー確か、羽毛とか星海・・・あれ?

わたし羽毛うさです・・・。

わたしは星海そらです・・・。

・・・・・。

静まり返る、トラックの周囲。

んなばかなー♪

笑い飛ばすたま姉。

それでも、年齢が13とかだし、却下されるってされるって♪

あーそうか。

すっかり安心した2人。

ねぇ、そらちゃん、来週もお泊りしない?

させてもらうわ♪

いいなー青春!年増は場違い!ではさらば!

女性はトラックに乗って立ち去った。

4日後の日曜日。

ピンポーン!

はーい!

そらよ、入れて。

うん!

それにしても、1人暮らしなんて、中学生なのにやるわね。

そらちゃんがいなかったらしょっちゅう寝坊だけどね♪

あら、郵便物が入ってるわよ。

ん?市役所からだ。

うさは郵便物の封を開けた。

ん?これって?

羽毛うさ、星海そら、あなたたちを夫婦として認めます。

・・・・。

うさ、これって・・・。

なんでぇぇぇぇぇえー!?

ものすごい大声を出すうさとそら。

なんでなんで!?

13歳なのに、受理されないんじゃないのー!?

しかも女の子同士だよー!?

そらが語る、役所の手違いとか?

あと、今取り消すとバツイチ・・・。

ぁぁぁぁぁぁぁああ!!

あんなもので遊ぶからいけなかったのよ!!

2人でクラクラする、午後のお茶時。

なんと2人は婚約してしまった!!


第2話-痴情のもつれ


どうすんのよ・・・。

どうするって・・・。

うさとそらはベンチでもじもじしていた。

同居するしか・・・ないよね?

うさが言うと、そらはうなずいた。




翌日。

巨大なバックを持ってそらはうさの家にやってきた。

お父さんは役所に抗議したけど、無効だってさ・・。

覚悟決めるしかないねー☆

なんで楽しそうなの?うさ。

だって、念願の結婚、しかもそらちゃんと♪

結婚って女の子同士じゃない。

実は前々から、そらちゃんのことが好きだったの♪

は?

友達以上恋人未満ってものかナー?

つまり、うさはせっかくだから楽しんじゃおうと言うわけね。

同意見だわ、役所相手に勝訴するまで、相手してあげるわよ!

ふたりはハイタッチした。

ピンポーン。

やっほー☆

チャイムがしたので覗いてみると、緑の小さなポニーテール。

友達の疾風だった。

横には赤のツインテール、ミミだ。

後ろには黒髪のロング気味のこむぎだ。

いいよー。

うさが扉を開けると、3人は中へ入った。

テーブルを囲み、5人は仲良くお菓子を食べる。

疾風が笑顔で、うさはあたしの嫁になるのだー。

うさに飛び掛かった。

ずるーい!疾風様はわたしの唯一のお人、渡さない!

こむぎが疾風に抱きつく。

ミミは、そらはわたしのお婿さんですもんね。

今度はミミがそらにくっついた。

うさとそらは笑顔で対応していた。

ふと、疾風が巨大なバックを見る。

これなに?

そらが、ルームシェア始めんの。

へー。

んじゃあこれは?

なんとしまい忘れていた結婚受理証を見つけられてしまった!

ん?結婚受理?うさとそら・・・。

はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?

ええええ!?

とするといきなり、うさはあたしの嫁だー。

頂いていく!

ちょっと!結婚ってどういうわけよ!

ミミはそらの手をとり、泣き叫ぶ。

疾風様の援護をするぞー!

こむぎがうさにしがみつく。

うさはそらに助けを求めた。

その場は乱闘気味になった。

テーブルは傾き、物は崩れ。

結局うさは連れてかれてしまった。

その場のミミが寝ながらくるくる回転。

うさを取り戻さなきゃ!

そらが飛び出ていく、足にしがみつくミミ。

なんとか脱出に成功した。

うさは疾風とこむぎに挟まれていた。

どこ行くの?はっちゃん。

公園の婚儀の鐘!ふたりで鳴らせば婚約できるって言われていて。

わたしもう結婚してるよ?

破棄するのだー!!

そこにたま姉が通りかかった。

待て!

人の恋路を邪魔する者は馬に蹴られて何とやら!!

歌舞伎っぽく出現したたま姉に疾風とこむぎはひるんだ。

ここを通りたければわたしを倒してからにしろー!!

疾風が、仕方がない、たま姉をやっつけるぞー!!

疾風が向かっていくが、ゆっくりと足払いされて転んだ。

こむぎが、疾風様になにをするー!

とポカポカしに行くが。

たま姉は手をクロスした動作をすると。

顔辺りに押し当て、こむぎはゆっくりと転んだ。

うさはわたしのものだー!

たま姉はうさを持って行ってしまった。

追ってきたそらは、うさが連れてかれるのを見ると膝から座り込んだ。

たま姉、わたしをどうするの?

あーねー、知り合いがアイスくれるって言ったから、取りに行くんだ。

ひと箱あげるから、ついでに機材を運んでもらおうかと思って♪

さっきの道では疾風とこむぎとそらが口ゲンカしていた。

あなたたちが誘拐するからうさが拉致されたのよー!

結婚しなきゃこんなことにはならなかったんだよー!

とぼとぼ帰るそら、疾風とこむぎは。

今度こそ頂く!

と言い残し走って帰って行った。

家に帰ると、ミミがもういなかった。

実家に帰らせて頂きます、という書き置きがあった。

そのうちうさが帰ってきて、安心したそらは。

アイスを食べながら、これからを相談した。

その夜。

そらの部屋にうさが来た。

せっかく一緒だから寝ない?

いいわよ。

うさとそらは手を繋ぎながら、就寝した。


第3話-夫婦喧嘩。


間違えて、チーズケーキ買ってきちゃった。

えー!?そらちゃんのうっかり屋さん!

だってうさ、チーズケーキがあまりにもおいしそうに見えたから。

わたしがチーズケーキ苦手だって知ってて間違えたの!?

そうじゃないわよ、好き嫌い無双なんてしないでくれる?

そらちゃん!いくら機嫌悪くても、言い方キツイよ!

うさ、チーズケーキのおいしさを知らないようね?

はいあーん、食べてみて。

きゃー!なにするの!

この・・・黒髪アイドル!!

なに・・・!このうさのフワフワモテ少女!

言ったなー!このコンテスト優勝の美人めー!!

うさ・・!!食べても太らない羨望体質のくせにー!!

ピンポーン、入るよー。

ん?鍵開いてるね。

疾風とミミが入ってきた。

部屋には手を組み合わせて相撲をとっているかのようなふたりがいた。

なにー?相撲?レスリング?わたしも混ぜてー!!

疾風が突っ込んだ!

そのまま手を繋いでどこかへ行くつもり・・・?

いけません・・・いけませんわ!

ミミが泣き叫ぶ。

ケンカは収拾がつかない。

くらえ!抱擁攻撃!

そらがうさを強烈に抱きしめた。

うむっ!じゃあわたしは脇腹くすぐり!

キャー!!

わたしもやらせてー!

疾風はうさの脇をくすぐった。

やーん!!

ミミはそらの足にまとわりついた。

うさは振りほどくのを失敗して疾風と寝ころんだ。

入りまーす。

こむぎが入ってきた。

あー!わたしの疾風様がぁー!!

うさと疾風が添い寝みたいになっているのを見て。

こむぎは発狂した。

さっき買ったばかりのパン粉をぶちまけて。

部屋中パン粉だらけ。

粉を被りながら、乱闘する5人。

そこにたま姉が入ってきた。

ちわーす、アイス届けに来たぞー。

んで・・・おわっ!なにこのカオス!

たま姉は懐からクラッカーを出した。

パァン!!

ものすごい音が鳴り響くと、5人の動きが止まった。

なにやってんのー?さては夫婦喧嘩?

友達まで巻き込むなんて、前代未聞だなぁおい♪

たま姉はアイスを5人分差し出すと、事態を収拾させた。

んで、そらは朝から何怒ってんの?

たま姉が聞く。

それは・・・朝のパンが生焼けだったからよ!

だからうさの苦手なチーズケーキを買ってきて八つ当たりしちゃったのよ。

おーいおい、人に当たるなー、物に当たれー。

ハンドバックが欲しければやるぞ、余ってるしなー。

うさが、そらちゃんと仲良くしたいのに・・・。

悪かったわ、うさ、ごめんね。

ふたりは仲直りした。

そんじゃわたしは帰るぞーってお前らなにやってんだ?

疾風とミミとこむぎは3人で円形をつくり。

顔を下向け、土下座姿勢で落ち込んでいた。       

だって・・・もう婚約しちゃったし・・・。

もう悪あがきなんてできないし・・・。

はぁ・・そのうち役所が取り消すと思うけどな。

え?

今審議中だってさ、うちの父が役員で情報くれるんだなー。

そんじゃわたしは行くか、じゃあなー。

たま姉は去って行った。

やったー!うさと結婚できるー!

そらをお婿に・・・・。

そうとしたら、今のうちに誓いと行くか!

疾風とミミが笑顔になった。

え?

うさとそらはシンクロした。

また乱闘が始まって、今度は2対3。

10分後に収まったが、ケンカの火が飛び火して散々なことになりましたとさ。


第4話-離婚!


今日にも取り消す?

うさとそらはシンクロした。

たま姉は笑顔で、おぅ!審議の結果不当と判断されて。

今日には取り消すのだそうだ。

ちなみにバツイチにはならんよ。

うさとそらは少し落ち込んだ。

ん?喜ばないのか?

そらが、だってうさと特別な関係になれたって思うと。

なんだか、心が躍っていて・・・。

うさが続けて、それが取り消されるとなると、ちょっと寂しいなって。

そうかー、離婚ってそんな気持ちになるのかねー。

んで、今日中に見納めしとくといいぞー。

こんなおもしろい事めったにないからなー。

んじゃわたしは行くぞ、写真撮っとこ。

たま姉は写真を撮ると笑顔で去って行った。

見納めかぁ。

なんかやる?

2言がシンクロした。

おでかけしてみる?

いいね!うさが笑顔で叫んだ。




20分後。

うさはツインロールに振袖。

そらはロングに黒いゴスロリ。

かなりの美少女っぷりに、ふたりが顔を合わせると、両者顔が赤くなった。

家から出発すると、注目を浴び続けた。

町に出た頃、全員の視線は釘づけだった。

公園に来た、池があり、丘があり。

まるで西洋の草原のようで、ちらほら林がある。

デートスポットで有名な公園だ。

うさはもじもじして、手を繋ぐ?とそらに提案した。

その瞬間にそらはうさと手を繋いだ。

疾風が言っていた婚儀の鐘があった。

もう縁はないだろうと思って見つめていた。

ねぇ、そらちゃん、婚約が解消されると、わたしたち友達じゃなくなっちゃう?

そんなことないわよ、これからも友達でいましょう。

そらちゃんのことが好きだった、友達以上に好きだった。

でも、それはいけない気がして・・・。

うさ、心に暖かな、激しい感情、それはきっと友愛かもね。

そらちゃんと始め、婚約しちゃった時は、正直嬉しかった。

なんだか、そらちゃんと心の底から分かり合えた気がして・・・。

分かり合うことは大切なことよ、うさ。

わたしも、うさと夫婦になってみて、最初はもじもじしたけど

とても嬉しかった、なんだか姉妹みたいな感じだったわね。

夫婦じゃなくても、人間同士、みんな分かり合えたらどんなにいいことか。

できるよ、そらちゃん、姉妹と感じるほどの関係を築けたんだもの!

人間は築き上げることができるんだよ!それは美しい結晶を!

風がふたりを間を通り抜ける、丘からすべてが見えるようだった。

ふたりは手を再び繋ぐと、大きく息をして、大笑いした。

なんだかおかしな関係だったわね、うさ♪

夫婦なのに姉妹って感じる、おもしろおかしいよ、そらちゃん♪

ふたりは丘から立ち去った。

家に帰ると、手紙があった。

あなたたちの夫婦としての婚約状況を取り消します。

なお、婚約破棄ではなく、婚約をしなかったことになります。

この度は申し訳ありませんでした。

役所職員。

そらは荷物をまとめると、うさとハイタッチをして、家を後にした。

静まりかえるうさの家、うさに寂しさと喜びが同時に襲った。


  






翌日。

うさちゃん・・・。

そらちゃん!

また起こしにきたわよ、早く起きる起きる

またいつものように起こしに来るそら。

うさは叩き起こされると、ツインロールをセットし。

学校へ向かっていった。

うさとそらは手を繋いだ。

それは友達同士ではなく、姉妹のような感じだった。

揺れる髪飾り、ふたりは友情以上のものに包まれていた・・・。




ひとまる!-完-